Artist Interview アーティストインタビュー

Revealing the inner world of young women
With scenes repeated as refrains
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シーンの反復(リフレイン)で甦る少女たちの心象風景
藤田貴大(マームとジプシー)
日本の現代演劇では、平田オリザの現代口語演劇以降の新しい世代を指して“ゼロ年代”(2000年以降に台頭した演劇人)と呼んでいる。この世代は、1990年に始まったバブル景気崩壊以降の“失われた20年”を背景として登場。その特徴のひとつは、身近な出来事をモチーフに、さまざまなアプローチで小さな劇的世界をつくり出し、生きていることのリアルに希望を見いだそうとしていることだろう。1985年生まれの藤田貴大は、その中でも最も若くして注目されている劇作家・演出家である。桜美林大学で演劇を学び、在学中に「マームとジプシー」を旗揚げ。中学校女子バレー部の少女たちのそれぞれの記憶が試合中に交錯する『ハロースクール、バイバイ』(2010年)、母の自殺をきっかけに引っ越しをする少女と同級生との別れの中で、母親が自殺してからの記憶が交錯する『塩ふる世界。』(2011年)、突然、姿を消した同級生との真夜中の別れの記憶が交錯する『Kと真夜中のほとりで』(2011年)などを発表。多感な少女たちの記念写真のような心象風景=記憶をアングルを変えた
聞き手:扇田昭彦