井上ひさし

井上ひさし

井上ひさし Hisashi Inoue

作家・劇作家。1934年山形県東置賜郡川西町(旧小松町)生まれ。上智大学外国語学部フランス語科卒業。在学中から、東京・浅草のストリップ劇場「フランス座」の文芸部兼進行係となり、台本を書き始める。放送作家として64年からNHKの連続人形劇『ひょっこりひょうたん島』の台本を共同執筆。現代的センスによる笑いと風刺で多くの人々に愛された。69年、劇団テアトル・エコーに書き下ろした『日本人のへそ』で演劇界にデビュー。72年、江戸戯作者群像を軽妙なタッチで描いた『手鎖心中』で直木賞を受賞。同年、『道元の冒険』で岸田國士戯曲賞および芸術選奨新人賞受賞。戯曲『しみじみ日本・乃木大将』『小林一茶』で紀伊國屋演劇賞と読売文学賞(戯曲部門)を受賞。84年に自身の作品を上演する「こまつ座」を旗揚げし、『頭痛肩こり樋口一葉』『きらめく星座』『闇に咲く花』『雪やこんこん』『人間合格』『黙阿彌オペラ』『連鎖街のひとびと』『兄おとうと』ほか、多くの戯曲を書き下ろして上演。戯曲、小説、エッセイなど勢力的かつ多才な活動を展開した。87年には、蔵書を生まれ故郷の川西町に寄贈し、図書館「遅筆堂文庫」を開館。戯曲 『父と暮せば』 が英語、フランス語、ドイツ語、ロシア語、イタリア語、中国語など6カ国語に訳されている他、『化粧』『藪原検校』『ブンとフン』など小説も含め多くの作品が翻訳され、海外公演でも高い評価を得ている。2010年4月9日没。

http://www.komatsuza.co.jp/