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2017.12.22

第10回 南インド・ケーララ州国際演劇祭が開幕(2018年1月20日〜28日)

 2008年12月に南インド・ケーララ州で始まった現代舞台芸術の祭典が、今年で10回目を迎える。第1回開催時には、パキスタン、スリランカ、中国、イラン、バングラデッシュなど、SAARC(南アジア地域協力連合)に参加する周辺国の、古典および現代演劇作品を紹介するのみに留まったが、年を重ねることに規模は拡大し、いまではコロンビアからポーランド、リトアリアからボリビア、日本から英国まで、欧州、アジア、アメリカの世界各地から約30作品を招聘する巨大フェスティバルにまで成長した。2015年度から芸術監督を務めるシャンカル・ヴェンカテーシュワラン(1979年生まれ)は、世界中で自作を上演するインド最注目の現代演劇演出家。2016年にKYOTO EXPERIMENT(京都国際舞台芸術祭)に招聘された折りには、太田省吾作『水の駅』を演出して高い評価を得た。
 フェスティバルでは年度ごとにテーマが設けられ、そのテーマに則した作品の上演、ワークショップ、シンポジウムなどが開催される。本年度のテーマは「周縁を取りもどす」。「周縁」に置かれたものたちは、概して「社会から迫害されたアウトサイダー」というネガティブなイメージを呼び起こすことが多い。しかし本フェスティバルでは、確たる政治権力の中心地が失われてしまった現代においては、周縁に居る人びとからこそ、新たな対話、価値観、アクション、失われた声が再生されてくるはずだとポジティブに説く。そして周縁部に立ち返ることから、芸術行為は始まるべきだと訴える。
 参加作品には、地元インドの作品ほか、演出家アザード・シャーミリが現代イラン女性の政治的・社会的立場を描く『Voicelessness(失語状態)』、20世紀初頭に英国人兵士にレイプされた12人のエジプト人女性の証言をドキュメンタリー演劇に仕立てたライラ・ソリマンによる『Zig Zig』、ギオルギ・ミケラゼ トビリシ人形劇団による大人のための人形劇『ザ・パワー・オブ・ララバイ』、シンガポールの現代演劇集団Ponggurlによるフィジカル・シアター『マレーの男とその中国人の父』など、世界各地から集められた選りすぐりの前衛現代演劇作品が含まれる。

[フェスティバル概要]
 2008年より、地域屈指の舞踊演劇教育研究機関であるケーララ・サンギーサ・ナカタ・アカデミ(Kerala Sangeetha Nakata Akademi)により主催されているインド屈指の国際総合演劇祭。フェスティバルは地元の現代舞台芸術作品の育成・紹介・発展に焦点を当ててはいるものの、同時にケーララおよびインド諸地域の民族・伝統演劇の紹介にも熱心に取り組んでいる。また世界中から訪れるアーティストや研究者のインド文化に対する理解が深まるようにと、セミナーやワークショップ、展示会、映像試写会なども積極的に行っている。

ケーララ州国際演劇祭(International Theatre Festival of Kerala)
http://theatrefestivalkerala.com/