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2017.8.1

英国スコットランドで第70回「エジンバラ国際演劇祭」開幕(2017年8月4日〜28日)

 フェスティバルの初代チェアマンであるジョン・ファルコナー卿が「人間精神の開花」を唱えてスターとしたエジンバラ国際演劇祭が今年で創立70周年を迎える。節目となる年を記念して、過去70年にわたりエジンバラで上演された「歴史的場面」を紹介するウェブサイト(70years.eif.co.uk)を開設。ナチスの迫害を受けて国外逃亡していた指揮者ブルーノ・ウォルターが、ウィーン交響楽団を率いて戦後はじめて指揮台に立った演奏会や、「鉄のカーテン」がいまだ顕在であった時代にはじめてチェコ交響楽団を西側諸国に招聘した瞬間などのエピソードが紹介されている。
 今回は、40カ国から2,020名のアーティストを招聘。芸術監督として3年目となるファーガス・リネハンは、オペラ、ダンス、演劇などの舞台芸術のみならず、自身の出自である現代音楽にも力を入れている。
 音楽では、英国のバス・バリトン歌手ブリン・ターフェル、元Pulpのフロントマンであるジャーヴィス・コッカー、イタリア出身の指揮者リッカルド・シャイー、シタール奏者で作曲家のアヌーシュ・シャンカー、マーキュリー賞受賞ミュージシャンPJハーヴェイ、イタリアのトリノ王立歌劇場、ミラノスカラ座管弦楽団、スコットランドの60年代サイケデリック・フォーク・シーンの伝説的存在であるジ・インクレディブル・ストリング・バンドなどが登場する。
 演劇で特に注目されているのが、オールドヴィック劇場と共同制作されるアラン・エイクボーン作『ザ・ディバイド』。世界初演作となる本作は、「ポスト・ブレクジット」以後の英国を茶化す二部構成の喜劇であり、男と女が分断化され自由に話すことができない世界を諷刺的に描きだす。

[フェスティバル概要]
1947年から英国北部、スコットランドの首都エジンバラで毎年8月初旬から3週間にわたって開催されているオペラ、音楽、演劇、ダンス、美術の国際フェスティバル。2006年〜14年までディレクターは、オーストラリア人の作曲家でメルボルン・フェスティバルでの経験もあるジョナサン・ミルズが務めた。
2011年(第65回)のプログラムでは、アジアにフォーカスし、アジアの伝統的/現代的な舞台芸術を含む、約140のイベントがエジンバラ市内各所の11会場を使って実施された。音楽では、インドネシアのジョグジャカルタ王立ガムラン演奏、シタール奏者ラヴィ・シャンカルやサロード奏者アムジャッド・アリー・カーンなどのアジアの古典音楽から、中国出身のギター奏者スーフェイ・ヤン、シンガポールのT'ANG QUARTET、チョン・ミョンフン指揮のソウル・フィルハーモニー管弦楽団、新世代を代表する中国のピアニストユンディ・リまで、多彩なプログラムをラインナップ。また、カナダのモントリオール交響楽団と英国のアルディッティ弦楽四重奏団は日本の現代音楽の作曲家、武満徹と細川俊夫をフォーカス。演劇では、日米の国際共同制作作品として、村上春樹原作の小説「ねじまき鳥クロニクル」を原作に映像作家スティーブン・アーンハートが演出し、日米の出演者による映像テクノロジーを駆使した『The Wind-up Bird Chronicles』が世界初演された。そのほか、日本からは写真家・杉本博司が招聘され、展覧会も開催された。
今年度より、ダブリン・ダンス・フェスティバル、シドニー・フェスティバル、シドニー・オペラ・ハウスのプログラマーを歴任したファーガス・リネハンが就任。

エジンバラ国際演劇祭(Edinburgh International Festival)
http://www.eif.co.uk