国際交流基金 The Japan Foundation Performing Arts Network Japan

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2016.4.15

ブリュッセルで「クンステン・フェスティバル・デザール 2016」開幕(2016年5月6日〜28日)

 欧州で最も実験的なラインナップを揃えることで知られるパフォーミング・アーツ・フェスティバル。今年は3月22日のブリュッセル爆破テロ以後、開催が危ぶまれていたが、無事、当初の予定通り決行されることになった。クンステンの公式ウェブサイトには「いまほど、他者とのダイアローグから得られるものが大きい時期はない […] 排除と二極化の作法にもとづく行為を我々は認めない」という、芸術監督クリストフ・スラフマイルダー氏によるメッセージが、フランス語、フラマン語、英語で掲載されている。
 今年の特集作家はフランス、ナンテール・アマンディエ劇場の芸術監督も務める演出家フィリップ・ケーヌ。新作『La nuit des taupes(モグラの夜)』がクンステンとの共同制作のもと世界初演されるほか、フェスティバルセンターに10日間『Welcome to the Caveland!(洞窟国へようこそ!)』と題し、コンサート、サロン、映画会、キッズグラブなど、複数のイベントを同時開催する移動型遊園地のようなインスタレーションが設置される。
 もうひとり、タイの映画監督アピチャッポン・ウィーラセータクンの作品群も、フェスティバルで特集される。映画『トロピカル・マラディ』、短編フィルム、写真などの作品群を複数紹介する展示『メモランダム』、さらに韓国光州のアジア文化殿堂で世界初演された監督初の演劇作品『フィーバー・ルーム』が上演される。
 またパリ、ブリュッセルなどでのテロ事件後、「特定の他者」としてターゲットにされ、社会から排斥されがちな北アフリカと中東の作家も複数人招聘。マラケシュ拠点の振付家ブーシュラ・ウィズグェンがモロッコの伝統的キャバレー・パフォーマーたちと共同創作した『Ottof』、同じくマラケシュ拠点の振付家ラオフィク・イゼディウによるスフィ文化に基づくダンス作品『En Alerte』、カサブランカ拠点のビジュアル・アーティスト、ユーネス・ババ=アリによる都市型インスタレーション『Paraboles / Vu’ Cuprà』、さらに国際演劇祭の常連であるイラン人作家アミール・レザ・コヘスタニによる『Hearing』などが上演される。
 日本からは岡田利規『部屋に流れる時間の旅』、神里雄大『+51 アビアシオン、サンボルハ』、川口隆夫『大野一雄について』の3作が上演される。

[フェスティバル概要]
ベルギー・ブリュッセルで毎年5月に開催されているパフォーミング・アーツを中心とした現代アートフェスティバル。先鋭的なプログラムで知られ、世界の現代アート界のアンテナフェスティバルとも称されている。ベルギー国内はもとより、ヨーロッパ全域、さらには芸術支援インフラに乏しい発展途上の国々に及ぶ世界の若手アーティストを独自に発掘し、多くの作品プロデュースを行っている。また、長期的視野に立ってアーティストの育成を図るため、複数年にわたり共同制作を行うと同時に、ベルギーやヨーロッパに拠点を置く実力派アーティストの新作を製作し、世界に先駆けて発表している。世界のパフォーミング・アーツの潮流を生み出す震源地の一つ。プロデュース公演と共同製作公演が、プログラム全体の50パーセントを超え、世界初演が約半数を占める。
2006年を最後に立ち上げから芸術監督を務めてきたフリー・レイセン女史が引退。それまで女史の右腕としてプログラミングを担当してきたクリストフ・スラフマイルダー氏が芸術監督を引き継いだ。近年は国際交流基金の助成プログラム「PAJ」やセゾン文化財団などと協力して日本から岡田利規(チェルフィッチュ)山下残梅田宏明前田司郎(五反田団)などの作品を紹介している。

クンステン・フェスティバル・デザール(Kunsten Festival des Arts)
http://www.kfda.be