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2016.2.10

医療と芸術を融合するSICK! フェスティバルによる実験的ラボ「SICK! LAB」開催(2016年3月9日〜12日)

 現代社会に潜む病理に対して芸術的にアプローチすることを目的に2013年に設立された複合芸術フェスティバル。ディレクターは看護婦として働いたのちアート・プロデューサーに転職したという異色の経歴の持ち主であるヘレン・メドランド。創設以後、フェスティバルは奇数年に隔年開催されている。偶数年には、より実験的なパフォーマンス、ディスカッション、コラボレーションなどを、「SICK! LAB」と題して4日間にわたり開催する。
 2016年度は「アイデンティティ」と「トラウマ」というテーマに特化し、芸術家、学者、医療関係者などがマンチェスターのコンタクト・シアターに集う。そして「なぜ一人であると感じることは辛いのか?」「社交することで、人は何を得て、何を失うのか?」「私たちはどうしていまだに、宗教、民族、国籍、性、ジェンダーなどを保守的な枠組みにとらわれているのか?」といった議論を行う。
 ロンドンを拠点に活躍するパフォーマンス・アーティストのブライオニー・キミングスは、「世界を改善する」ことを生業にするアーティストである自分と、「世界を算出する」ことを仕事にする会計士である自身のパートナーが、どれだけ異なる世界を生きているか、またなぜ英国の会計士にうつ病患者が異常に多いかを『Fake it till you make it』で暴く。英国シェフィールドを拠点に活動するコメディアンでありパフォーミング・アーティストのキム・ノーブルは『You are Not Alone』で、孤独という名の現代病がどれほど社会を蝕んでいるかをコニカルに描写する。
 そのほか、マンチェスター大学国際救急薬学部教授のアンソニー・レドモンド、同大学芸術言語文化学部教授で戦争や被災地域での演劇を研究するジェームス・トンプソン、エッセクス大学臨床生物倫理学教授ボビ・ファーサイズなどがディスカッションに登壇する。

[フェスティバル概要]
2013年に創設された英国初の、医療的、精神的、社会的現代病を探究することに特化した複合芸術ビエンナーレ・フェスティバル。分野横断的に様々なアート表現を視野に入れ、演劇、ダンス、映画、インスタレーション、ディベートなどを会期中に実施する。またフェスティバルは他の芸術組織のみならず、医療組織、学会組織、チャリティ組織などとも手を組み運営されている。ブライトンにある実験的アート空間として過去20年以上にわたり重要な役割を果たしているThe Basementを創設したヘレン・メドランドが芸術監督を務める。メドランドは、かつて看護婦であった経験を活かし医療と芸術を結び付けるフェスティバルを立ち上げた。次回のフェスティバル開催は2017年3月。2016年にはSICK! Lab「What Doesn’t Kill Us...(なにが私たちを殺さないのか...)」と題して、4日間にわたり、キム・ノーブルやブライオニー・キミングスによるパフォーマンスや、第一線の医療関係者や学者による講演会やディスカションを行う。

SICK! フェスティバル(SICK! Festival)
http://www.sickfestival.com