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Updated: 2023.3.9

第22回AAF戯曲賞、大賞は村社祐太朗『とりで』が受賞

 愛知県芸術劇場(公益財団法人愛知県文化振興事業団)が主催するAAF戯曲賞。21世紀の新しい戯曲賞として2000年に創設され、受賞作品は翌年度以降に愛知県芸術劇場小ホールで上演が予定される「上演を前提とした戯曲賞」で、2015年第15回からリニューアルし、コンセプトに「戯曲とは何か?」を掲げ、新しい価値観と出会いの場の創造を目指して続けられている。第22回となる今年は応募総数91作品の中から一次審査・二次審査を経て5作品が2023年1月28日(土)の公開最終審査会に臨んだ。大賞に輝いたのは、演劇カンパニー、新聞家を主宰する村社(むらこそ)祐太朗の『とりで』。特別賞には川辺恵『往復する点P』と近江就成『廃熱バイパス』が選ばれた。

 大賞を受賞した村社祐太朗は2014年より新聞家を主宰。利賀演劇人コンクール2018で奨励賞(岸田國士『屋上庭園』の演出)を受賞し、2019年度より公益財団法人セゾン文化財団セゾンフェロー。THEATRE E9 KYOTO第一期アソシエイトアーティスト(2020-2022年度)。受賞者および今年の審査員は以下のとおり。

大賞
『とりで』村社 祐太朗
特別賞
『往復する点P』川辺 恵
『廃熱バイパス』近江 就成

審査員
岩渕貞太(ダンサー・振付家)
鈴木みのり(作家・ライター)
立山ひろみ(演出家・「ニグリノーダ」主宰・宮崎県立芸術劇場演劇ディレクター)
鳴海康平(演出家・「第七劇場」代表・Théâtre de Belleville芸術監督)
羊屋白玉(演出家・劇作家・俳優・「指輪ホテル」芸術監督・ソーシャルワーカー)

AAF戯曲賞
https://www-stage.aac.pref.aichi.jp/event/aaf/index.html

KYOTO CHOREOGRAPHY AWARD 2022開催、受賞作決定

 コンテンポラリーダンスの振付家育成プロジェクト「ダンスでいこう‼」の新プログラムとして2020年に創設されたKYOTO CHOREOGRAPHY AWARD(主催:文化庁/NPO法人ジャパン・コンテンポラリーダンス・ネットワーク(JCDN))が、2023年1月28日(土)、29日(日)の2日間に渡り開催された。同アワードは、振付家の次なる活動へのステップとなることを目的に、作品発表の機会と賞を設けるもので、観客と共に作品を巡るディスカッションを行うのも特徴。2回目となる今回は応募総数39組の中から書類選考で選ばれた6組が京都で作品を上演。各日3組の上演後にディスカッションの時間が設けられ、オンラインでも上演とディスカッションの様子が配信された。

 上演後の審査の結果、KCA京都賞は池ヶ谷奏、藤村港平による『対象a』と大森瑶子『Help』が受賞。KCA奨励賞には岡田玲奈、黒田勇/Null『Own Own』が選ばれた。大森瑶子『Help』はオンライン視聴含む観客による投票で選ばれるオーディエンス賞も受賞。ベスト・ダンサー賞は池ヶ谷奏が受賞した。また、黄金4422 AIR賞にはAokid×たくみちゃん『HUMAN/human』が選ばれた。受賞者および今年の審査委員は以下のとおり。

KCA京都賞
池ヶ谷奏、藤村港平『対象a』
大森瑶子『Help』
KCA奨励賞
岡田玲奈、黒田勇/Null『Own Own』
オーディエンス賞
大森瑶子『Help』
ベスト・ダンサー賞
池ヶ谷奏(池ヶ谷奏、藤村港平『対象a』出演)
黄金4422 AIR賞
Aokid×たくみちゃん『HUMAN/human』

審査委員
石井達朗(舞踊評論家)
唐津絵理(愛知県芸術劇場エグゼクティブプロデューサー、Dance Base Yokohamaアーティスティックディレクター)
黒田育世(振付家・ダンサー、BATIK主宰)
高嶺格(演出家・美術家、多摩美術大学教授)
寺田みさこ(ダンサー/振付家)
三上さおり(世田谷パブリックシアター 劇場部企画制作担当)
鷲田めるろ(十和田市現代美術館館長)
*黄金4422 AIR賞審査委員:浅井信好(振付家・ダンサー、ダンスハウス黄金4422 代表)

KYOTO CHOREOGRAPHY AWARD
https://choreographers.jcdn.org/program/kyotochoreographyaward2022

第67回岸田國士戯曲賞、最終候補作品決定

 白水社が主催する第67回岸田國士戯曲賞の最終候補作品が発表された。最終候補作品は以下の9作品で、選考会は2023年3月17日(金)に行われる。なお、同賞は今年度より、公益財団法人一ツ橋綜合財団の後援を受け、「白水社主催・公益財団法人一ツ橋綜合財団後援」の体制にて運営されることとなった。

最終候補作品(作者五十音順、敬称略)
石原燃『彼女たちの断片』(『夢を見る 性をめぐる三つの物語』所収、アジュマブックス)
上田久美子『バイオーム』(上演台本)
加藤拓也『ドードーが落下する』(上演台本)
金山寿甲『パチンコ(上)』(上演台本)
兼島拓也『ライカムで待っとく』(「悲劇喜劇」2023年1月号掲載)
鎌田順也『かたとき』(上演台本)
中島梓織『薬をもらいにいく薬』(上演台本)
原田ゆう『文、分、異聞』(上演台本)
松村翔子『渇求』(いぬのせなか座叢書)

*審査員:岩松了、岡田利規、ケラリーノ・サンドロヴィッチ、野田秀樹、本谷有希子、矢内原美邦

岸田國士戯曲賞
http://www.hakusuisha.co.jp/kishida/

「ヨコハマダンスコレクション2022」コンペティション受賞振付家決定

 世界的な振付コンクールの日本プラットフォームとして1996年に始まり、28回目を迎えた「ヨコハマダンスコレクション」のコンペティションの受賞振付家が決定した。今回は14の国・地域から計121組の応募があり、映像・書類審査を通過した17組のファイナリストによる上演審査が2022年12月1日から4日まで行われた。コロナ禍で映像参加を余儀なくされていた海外からのファイナリストも今年は映像参加ではなく、横浜の会場での上演審査に臨んだ。

 コンペティションIでは、各賞の受賞者が割れた結果となった。まず、大賞にあたる審査員賞をは台湾のリュウ・イリンの『… and, or…』が受賞。舞台芸術のコレクティブ「スペースノットブランク」としても知られる小野彩加/中澤陽による『バランス』が若手振付家のための在日フランス大使館賞、ダンス・リフレクションズ by ヴァン・クリーフ&アーペル賞、城崎国際アートセンター賞を受賞。シンガポールのファイルル・ザイヒド〈LASALLE Dance〉の『So-PAN』がMASDANZA賞に、池上楓子/中村たから『Puppenhaus』と四戸賢治『ORGARHYTHM』がアーキタンツ・アーティスト・サポート賞に輝いた。奨励賞にはドイツを拠点とする四戸賢治『ORGARHYTHM』と小倉笑『M2』が選ばれた。

 コンペティションII(新人振付家部門)の最優秀新人賞は、宮悠介の『かたち』に決定。受賞者および今回の審査員は以下のとおり。詳細は横浜ダンスコレクションのサイトを参照。

◎コンペティション I(作品部門)
[審査員賞]
 リュウ・イリン『... and, or...』
[若手振付家のための在日フランス大使館賞・ダンス リフレクションスズ by ヴァン・クリーフ&アーペル賞・城崎国際アートセンター(KIAC)賞]
 小野彩加/中澤陽『バランス』
[MASDANZA賞]
 ファイルル・ザイヒド〈LASALLE Dance〉 (シンガポール) 『So-PAN』
[アーキタンツ・アーティスト・サポート賞]
 池上楓子/中村たから『Puppenhaus』
 四戸賢治『ORGARHYTHM』
[奨励賞]
 四戸賢治『ORGARHYTHM』
 小倉笑『M2』

*審査員:
梅田宏明(振付家、ダンサー、ビジュアルアーティスト、横浜赤レンガ倉庫 1 号館振付家)
岡見さえ(舞踊評論家、共立女子大学文芸学部准教授)
北村明子(振付家、ダンサー、信州大学人文学部教授)
近藤良平(コンドルズ主宰・振付家・ダンサー・彩の国さいたま芸術劇場 芸術監督)
多田淳之介(演出家、東京デスロック主宰)
浜野文雄(新書館「ダンスマガジン」編集委員)
サンソン・シルヴァン(在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本 文化担当官)
シモン・ホレンベルジェ(アンスティチュ・フランセ横浜 館長)
カトリーヌ・ティケニス(フランス国立ダンスセンター(CND)総合ディレクター)
セルジュ・ローラン(ヴァン クリーフ&アーペル ダンス&文化プログラム マネージャー)
※MASDANZA 賞、城崎国際アートセンター(KIAC)賞及びアーキタンツ・アーティスト・サポート賞の審査員は、各団体の担当者が務めた。

◎コンペティション II(新人振付家部門)
[最優秀新人賞]
 宮 悠介 『かたち』
[アーキタンツ・アーティスト・サポート賞]
 安永ひより 『あぶくの音』
[奨励賞]
 斎藤健一 『回転プロダクション』
[ベストダンサー賞]
 三輪麗水 『終い方』

*審査員:ヴィヴィアン佐藤 (美術家)、加藤弓奈 (急な坂スタジオ ディレクター)、北尾 亘 (Baobab 主宰・振付家・ダンサー)、浜野文雄 (新書館「ダンスマガジン」編集委員)
※アーキタンツ・アーティスト・サポート賞の審査員は、団体の担当者が務めた。

横浜ダンスコレクション
http://yokohama-dance-collection.jp/

第29回OMS戯曲賞、山脇立嗣『わたしのこえがきこえますか』が大賞受賞

 大阪ガスが主催し、関西を中心に活動する劇作家を対象にしたOMS戯曲賞。1994年に創設され、今回で29回目を迎える。関西で次代を担う劇作家を発掘するだけでなく、過去に受賞歴のある劇作家も対象とし、全国的に広く活躍する劇作家を輩出している。前回(第28回)より未上演作も応募が可能になり、41の応募作品から最終選考の結果、山脇立嗣『わたしのこえがきこえますか』が大賞に選ばれた。

 山脇は1962年生まれで、京都を拠点として活動するろう者と聴者による「劇団あしたの会」のメンバー。受賞作は、老夫婦がろう者の娘の結婚話を回想するという未上演作。また、同じく京都を拠点とした「安住の地」(演劇を中心にミクスト・メディアな活動を行うアーティスト・グループ)で活動する私道かぴ『いきてるみ』が佳作に選ばれた。

最終候補作
 キタモトマサヤ『われわれは遠くから来た、そしてまた遠くへ行くのだ』
 近藤輝一『バス・ストップ』
 三枝希望『かもめごっこ』
 私道かぴ『いきてるみ』
 田辺剛『透明な山羊』
 土橋淳志『その間にあるもの』
 山脇立嗣『わたしのこえがきこえますか』

選考委員
佐藤信(劇作家)、鈴木裕美(演出家)、佃典彦(劇作家)、土田英生(劇作家)、樋口ミユ(劇作家)

OMS戯曲賞事務局/大阪ガスビジネスクリエイト株式会社
http://www.ogbc.co.jp/oms/