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Updated: 2022.3.8

第66回(2022年)岸田國士戯曲賞決定

 第66回岸田國士戯曲賞の最終選考会が2月28日に行われ、福名理穂『柔らかく搖れる』と山本卓卓『バナナの花は食べられる』がダブル受賞した。

 福名理穂は1991年生まれ、広島県出身。こまばアゴラ演劇学校の無隣館演出部に所属し、2014年に自らが主宰するぱぷりかを旗揚げした劇作家、演出家。広島の田舎町にある小川家を舞台にした本作は、ぱぷりかの第5回公演として2021年11月に初演。選考委員の岩松了は「地方都市の或る一族の怠惰な生とあっけない死を簡素なセリフで描いて見事」と評した。

 山本卓卓は1987年生まれ、山梨県出身。桜美林大学卒。演劇集団範宙遊泳を主宰する劇作家、演出家、俳優。本作はコロナ禍の影響により2020年にオンライン作品として『バナナの花』全4話を先行公開。その後、2021年3月に舞台作品として初演し、6台のカメラで収録した映像作品をオンデマンド配信したもの。マッチングアプリのユーザーと、女に化けて客を誘い込むサクラとして出会った男が意気投合して探偵業をはじめるという設定。選考委員のケラリーノ・サンドロヴィッチは、「なかなかないマナザシで描かれたアウトロー“ら”の連帯に泣かされ、溢れ出、止まらない言葉の勢いに興奮させられた」とコメントした。

◎最終候補作品(作者五十音順、敬称略)
小沢道成『オーレリアンの兄妹』(上演台本)
笠木泉『モスクワの海』(上演台本)
加藤シゲアキ『染、色』(上演台本)
瀬戸山美咲『彼女を笑う人がいても』(「悲劇喜劇」2022年1月号掲載)
額田大志『ぼんやりブルース』(「悲劇喜劇」2021年11月号掲載)
蓮見翔『旅館じゃないんだからさ』(上演台本)
ピンク地底人3号『華指1832』(上演台本)
福名理穂『柔らかく搖れる』(上演台本)
山本卓卓『『バナナの花は食べられる』』(上演台本)

*審査員:岩松了、岡田利規、ケラリーノ・サンドロヴィッチ、野田秀樹、矢内原美邦(五十音順、敬称略)

岸田國士戯曲賞
http://www.hakusuisha.co.jp/kishida/

「ヨコハマダンスコレクション2021」コンペティション受賞振付家決定

「ヨコハマダンスコレクション」は世界的な振付コンクールの日本のプラットフォームとして1996年にはじまり、形を変えながら実施され、今年で27回目を迎える。コンペティションの他、近年の受賞者による公演、国際的な振付家による新作、海外のダンスフェスティバルとの連携事業など多彩なプログラムで構成されている。

2021年のコンペティションでは15の国・地域から計116組の応募があり、映像・書類審査を通過した22組のファイナリストによる上演審査が12月4日~12日に行われた(コロナ禍のため海外のファイナリストは映像での参加)。

 コンペティション I(作品部門)では、コンテンポラリーダンス・グループの水中めがね∞を主宰する中川絢音の『my choice, my body,』が審査員賞、若手振付家のための在日フランス大使館賞、アーキタンツ・アーティスト・サポート賞を受賞。中川はクラシックバレエ、日本舞踊、演劇を学び、桜美林大学在学中に水中めがね∞を立ちあげて作品創作を開始した演出家・振付家・ダンサー。また、台湾から映像で参加したWang Yeu-Kwnの『Beings』がアーキタンツ・アーティスト・サポート賞と奨励賞を受賞した。奨励賞には他に入手杏奈/香取直登『WHAT’S YOUR NAME?』、中屋敷南『みえないけどいる -touch the ghost skin-』、ベストダンサー賞には大森瑶子『Help』が選ばれた。

 コンペティション II(新人振付家部門)では、浅川奏瑛が第二次世界大戦末に行われた特攻を起点にした『O ku』で最優秀新人賞とアーキタンツ・アーティスト・サポート賞を受賞した

 詳細はヨコハマダンスコレクションのサイトを参照。

◎コンペティション I(作品部門)
[審査員賞、若手振付家のための在日フランス大使館賞]
 中川絢音(水中めがね∞)『my choice, my body,』
[アーキタンツ・アーティスト・サポート賞]
 中川絢音(水中めがね∞)『my choice, my body,』
 Wang Yeu-Kwn『Beings』
[奨励賞]
 入手杏奈/香取直登『WHAT’S YOUR NAME?』
 中屋敷南『みえないけどいる -touch the ghost skin-』
 Wang Yeu-Kwn『Beings』
[ベストダンサー賞]
 大森瑶子『Help』

*審査員:岡見さえ(舞踊評論家、共立女子大学文芸学部准教授)、北村明子(振付家、ダンサー、信州大学人文学部教授)、近藤良平(コンドルズ主宰・振付家・ダンサー)、多田淳之介(演出家、東京デスロック主宰)、浜野文雄(新書館「ダンスマガジン」編集委員)、サンソン・シルヴァン(在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本文化担当官)、シモン・ホレンベルジェ(アンスティチュ・フランセ横浜 館長)、クリストフ・シュッセ(フランス国立ダンスセンター事務局長)

◎コンペティション II(新人振付家部門)
[最優秀新人賞、アーキタンツ・アーティスト・サポート賞]
 浅川奏瑛『O ku』
[奨励賞]
 橋本真那『パトリオティズム』
[ベストダンサー賞]
 伊藤 奨『路路、 ーロジー』

*審査員:ヴィヴィアン佐藤(美術家)、加藤弓奈(急な坂スタジオ ディレクター)、北尾亘(Baobab 主宰・振付家・ダンサー)、浜野文雄(新書館「ダンスマガジン」編集委員)

横浜ダンスコレクション
http://yokohama-dance-collection.jp/

「YPAM – 横浜舞台芸術ミーティング」(仮称)開催決定(2021年12月1日〜19日)

 1995年に「芸術見本市/Tokyo Performing Arts Market」としてスタートしたTPAMが、創造都市横浜との連携を強化し、地域へのコミットメントと国際的芸術交流を同時に追求する「YPAM – 横浜舞台芸術ミーティング」(仮称)として再出発することを発表した。

 TPAMは2011年に名称を「Market」から「Meeting」に変更。開催地を横浜に移すなどしながら、通算25回(内、横浜で11回)の開催を通して、公演の実施だけでなく、ミーティングなどを通じて国内外の関連団体とのネットワークを構築してきた。2015年からはアジア諸国との国際共同製作にも参画。現在では国内唯一かつ影響力のある舞台芸術プラットフォームの一つとして国際的にも認知されている。

 2021年12月の開催に先駆けて、公募部門「YPAMフリンジ」をより多くの人に活用してもらうための発信基地として「YPAMフリンジセンター」を横浜・黄金町の黄金スタジオ(黄金町エリアマネジメントセンター)に開設。トークイベントや交流会の開催を予定。

YPAM – 横浜舞台芸術ミーティング
https://ypam.jp

「KYOTO EXPERIMENT 京都国際舞台芸術祭 2021 AUTUMN」開催(2021年10月1日〜24日)

 京都発の国際フェスティバル「KYOTO EXPERIMENT 京都国際舞台芸術祭」が2021年10月1日から24日まで開催される。2021年春の開催より引き続き川崎陽子、塚原悠也、ジュリエット・礼子・ナップの3名が共同ディレクターとして率いる。

 今回は、パンデミックという危機の時代における「いま」をどう生き抜くかという切実な問いの下で、覆い隠されている「聞かれないもの」「見えないもの」「聞き過ごされているもの」「見過ごされているもの」を感じ取るキーワードとして「もしもし?」というテーマを設定。ディレクターメッセージでは、「聞かれなかった声、内なる声、過去と未来の声、人間のものではない声、声と身体との関係性、あるいは集合的な声と身体の関係性に注目して、私たちがいま置かれているこの時を考える場にしたい」としている。

 フェスティバルを構成する3つのプログラム「Kansai Studies」「Shows」「Super Knowledge for the Future [SKF]」のうち「Shows」では、国内外から先鋭的なアーティストが参加。シンガポールのホー・ツーニェンは、京都学派を題材に山口情報芸術センターとのコラボレーションによるVR作品『ヴォイス・オブ・ヴォイドー虚無の声』を発表。野外パフォーマンス・プロジェクト『Moshimoshi City』では岡田利規、神里雄大、中間アヤカなどのアーティストが京都という街における想像上のパフォーマンスを声のみによって立ち上げる。また、独自のリサーチに基づくサウンドインスタレーションで注目を集める荒木優光は、カスタムオーディオシステムを搭載した車たちを「出演者」として比叡の谷間に組曲を轟かせる新作『サウンドトラックフォーミッドナイト屯』を発表。インドネシアの実験的音楽デュオ「SENYAWA」のルリー・シャバラは、自身が生み出した即興コーラスシステム「ラウン・ジャガッ」を用い、公募で集まった出演者とともに新たな合唱を展開する。

KYOTO EXPERIMENT 京都国際舞台芸術祭
https://kyoto-ex.jp

「東京芸術祭2021」開催発表(2021年9月1日〜11月30日)、人材育成を担う「東京芸術祭ファーム」も始動

 東京芸術祭2021(主催:東京芸術祭実行委員会)の会期及びプログラムの一部が先行発表された。2021年9月1日から11月30日にかけて、豊島区池袋エリアを中心に「歴史のまばたき」をテーマに開催。発表されたのは、フランスの太陽劇団が20年ぶりに来日して上演する新作『金夢島 L’ÎLE D’OR KANEMU-JIMA』( 仮題 )や、スイスの演出家ミロ・ラウの映像作品などの海外プログラム、青木豪演出による野外劇『ロミオとジュリエット』、ロロ、スズキ拓朗、Baobab、きたまりによる意欲作など。総合ディレクターは引き続き宮城聰が務める。

 また、昨年までAPAF(Asian Performing Arts Farm)として実施されていた同芸術祭の人材育成プログラムは、フェスティバル/トーキョー(F/T)で行われていた研究開発・教育普及プログラムと合わせた「東京芸術祭ファーム」として再始動。多田淳之介がディレクターに就任し、出会いと学びの場「スクール」、現場研修の機会「インターンシップ」、研究開発に挑む「ラボ」の3つのカテゴリーで、公募で選ばれた参加者を中心にプログラムを展開する。 なお、東京芸術祭の全プログラムは8月下旬公開予定。

東京芸術祭
https://tokyo-festival.jp/2021/