New York Foundation for the Arts (NYFA)

米国

ニューヨーク芸術財団（NYFA）

　「クリエイティヴな活動の重要な段階にいるアーティストを支援することを使命とし、1971年にニューヨーク州芸術評議会（New York State Council on the Arts]によって設立されたインディペンデントの財団。最大の出資者はニューヨーク州芸術評議会と アンドリュー・W・メロン財団 。様々なプログラムを通して年間660万ドル以上の助成を行っている。

　1976年以来、アーティストおよび新進のアート関連団体を対象とする「Fiscal Sponsorship」を展開。米国有数の規模の助成プログラムであり、資金提供だけでなく、税務や他の助成申請などのサポートも行う。現在368人以上のアーティストのプロジェクトと52以上の団体を助成している。

　1984年には「Artists’ Fellowship」を開始。これは用途自由な7,000ドルをアーティストに提供するというもので、これまでに3,700人以上のニューヨーク州のアーティストに2,400万ドルを超える助成を行い、ピューリッツアー賞受賞者6名、トニー賞受賞者4名、マッカーサー・フェローシップ受益者15名を輩出している。助成対象ジャンルは以下のように分類されており、奇数年度には前半8分野、偶数年度には後半8分野が対象となる。各分野の定義は、ニューヨーク州における芸術活動の状況を反映し、実験的な形式も含む柔軟なものになっている。

◎デジタル／エレクトロニック・アーツ（Digital/Electronic Arts）
◎クラフト（Crafts）
◎映画（Film）
◎ノンフィクション（Nonfiction Literature）
◎インターディシプリナリー・ワーク（Interdisciplinary Work）
◎詩（Poetry）
◎版画／ドローイング／ブック・アーツ（Printmaking/Drawing/Book Arts）
◎彫刻（Sculpture）
◎建築／環境デザイン（Architecture / Environmental Structures）
◎振付（Choreography）
◎フィクション（Fiction）
◎作曲（Music Composition）
◎絵画（Painting）
◎写真（Photography）
◎戯曲／映画脚本（Playwriting / Screenwriting）
◎ビデオ（Video）

　他に、具体的な直近の目的のために年3回申請できる小規模な助成金（100〜600ドル）の「Strategic Opportunity Stipends（SOS）」や、ニューヨーク・シティを拠点とするダンスカンパニーを対象にしたBuilding Up Infrastructure Levels for Dance（BUILD）」、ニューヨーク・シティで自主制作を行う小中規模の劇場を対象とした「New York Theater Program」などの助成プログラムがある。

　また、NYFAのスタッフが州内各地で助成申請やプレゼンテーションなどの指導をする「MARK」や、必要なコンタクトに到達するのが難しい状況にありがちな移民アーティストを援助する「Immigrant Artist Project」などのプログラムも展開。ウェブサイトのコンテンツも充実しており、オンラインデータベース「NYFA Source」は、ファンディングなどのリソースのデータを網羅するだけでなく、ツアー中の自然災害などさまざまな緊急事態に援助を求められる団体の情報も提供しており、毎月120,000人のアクセスがある。「NYFA Classifieds」ではアート関係の求人やイベント、スペースの情報などを提供。オンラインマガジン「NYFA Current」にはアーティストがさまざまなテーマで執筆している。

　2002年には、9/11の余波からのアート・コミュニティの回復を助けるためのプログラム「New York Arts Recovery Fund」をNYFAが主導。135の団体と352人の個人に463万5千ドルの支援を行った。起こり得る自然的・人為的緊急事態への対応の参考に供するため、関連ドキュメンテーションを保存・公開している。