Artist Interview アーティストインタビュー

Theater as a Window to the World
Satoshi Miyagi leads the reborn SPAC
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劇場は世界を覗く窓 宮城聰率いる新生SPAC
宮城聰
国内外の人々が長期滞在して舞台芸術の創造に取り組める施設といえば、日本では、30年以上の歴史を有する富山県利賀芸術公園と今年15周年を迎えた静岡県舞台芸術センター(Shizuoka Performing Arts Center:SPAC)である。いずれもスズキ・メソッドで世界的に著名な鈴木忠志が主導して、利賀村(現・南砺市)、富山県、静岡県といった関連自治体とともにつくり上げたものだ。稽古場と宿泊施設の整った創造環境、屋内・野外劇場の上演環境がそれぞれ充実しており、国際的な舞台芸術フェスティバルを開催していることでも知られている。特にSPACは、劇場などのハードだけではなく、俳優、舞台技術・制作スタッフも抱える日本初の公立芸術組織である。その芸術総監督を2007年に鈴木から引き継いだのが宮城聰だ。主宰していた劇団ク・ナウカでは演出家として、人形浄瑠璃のように俳優の動きと言葉を「ムーバー」と「スピーカー」に分け、二人で一役を演じるスタイルをつくり出し、海外でも高く評価されてきた。SPACの2代目芸術総監督に就任にして6年目。鈴木路線を継承しつつ、独自の企画も軌道にのせている宮城が目指す公立劇場運営と創造集団での創作について聞いた。
聞き手:山口宏子[朝日新聞]