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やまみちやえ×安部萌『大蛇─義太夫とコンテンポラリーダンスによる─』
(2020年10月/スパイラルホール)
Photo: Yulia Skogoreva
オリジナル義太夫とダンスの融合
古典と現代を繋ぐやまみちやえ
幼い頃から歌舞伎や文楽に親しみ、6歳から義太夫三味線、10歳から邦楽囃子を習い、現在は作曲家、太棹三味線演奏家として活躍するやまみちやえ(1995年生まれ)。同世代のコンテンポラリーダンサーと協働し、日本の古典作品を主題としたオリジナルの義太夫によるパフォーマンスを発表。若い感性で古典と現代をつなぐアーティストとして注目を集めている。
やまみちやえ×安部萌『大蛇─義太夫とコンテンポラリーダンスによる─』
(2020年10月/スパイラルホール)
Photo: Yulia Skogoreva
やまみちやえ×安部萌『大蛇─義太夫とコンテンポラリーダンスによる─』
(2020年10月/スパイラルホール)
Photo: Yulia Skogoreva
橋本ロマンス×やまみちやえ『江丹愚馬』(ENIGMA)
(2021年12月/KAAT神奈川芸術劇場-大スタジオ)
Photo: Yulia Skogoreva
きたまり/KIKIKIKIKIKI『老花夜想(ノクターン)』
(2021年10月/東京芸術劇場-シアターウエスト)
*1 『義経千本桜』
人形浄瑠璃および歌舞伎の演目のひとつ。平安時代末期の6年にわたる内乱、俗にいう「源平合戦」(平清盛を中心とする平氏政権を、源頼朝を中心とする武士集団が打倒した戦い)を背景にしたもの。「義経千本桜」は、源平合戦の功労者である義経が兄・頼朝に謀反を疑われて都落ちし、その義経に死んだはずの平家の武将が生きていて復讐を企てるという後日譚。「河連法眼館(かわつらほうげんやかた)」では、館に匿われている義経のもとに、妾の静御前が義経から形見として渡された初音の鼓を持って、家来の佐藤忠信(親の夫婦狐を鼓の皮にされた子狐の化身)と訪ねてくる。早変わりや宙のりなどの仕掛けも多く、正体を明かした狐忠信が見どころ。
*2 『鷺娘』
歌舞伎および日本舞踊の演目のひとつ。恋に身を焦がす娘の姿を白鷺の姿になぞらえた踊り。雪景色の中に白鷺の精が姿を現し、娘に姿を変えて積もる思いを踊り、再び白鷺に姿を変えて恋への執着から地獄に落ち、責め苦を受けて力尽きる。
*3 『妹背山婦女庭訓(いもせやまおんなていきん)』
人形浄瑠璃および歌舞伎の演目のひとつ。江戸時代中期に近松半二によって書かれた時代物(江戸時代より前の時代設定を用いて歴史上の事件や人物を扱った作品)。古代王朝の政変を舞台に、その狭間に生まれたさまざまな恋の行方をいくつもの伝説を織り込んで描いたもの。その恋のひとつが酒屋の娘お三輪の片思いで、宿敵を討つために身をやつしていた藤原淡海に恋慕し、嫉妬に狂う。しかし、嫉妬した女の生き血が宿敵を討つのに役立つと聞かされ、あの世で結ばれることを願いながら死んでいく。
*4 ヤマタノオロチ
日本神話に登場する8つの頭と8つの尾をもつ巨大な怪物(大蛇)。1年に1度、現れては娘を食べることから、スサノオノミコトに退治される。
*5 安珍・清姫伝説
清姫は、熊野権現に詣でる途中に一夜の宿を借りた山伏の安珍に恋をする。安珍は逃げるが、清姫はすさまじい執念で大蛇に化身して後を追う。道成寺に逃れた安珍は釣鐘の中に匿われるが、その釣鐘に大蛇となった清姫が巻きつき、炎で安珍もろとも焼き尽くす。
*6 『娘道成寺』
歌舞伎舞踊の演目のひとつ。安珍・清姫伝説の後日譚。道成寺に奉納された新たな鐘のための供養が行われ、そこに清姫の化身である美しい白拍子が現れてさまざまに舞い、最後は蛇体となって舞う。
*7 あいみょん
1995年生まれ。揺れる気持ちを同時代の感性で綴った強烈な歌詞とポップな曲で若者のアイコンになっている新世代のシンガーソングライター。
*8 『船弁慶』
能『船弁慶』を元に歌舞伎化され、その後、舞踊化された演目。怨霊となった平知盛と、その宿敵である源義経に捨てられた愛人・静御前が主人公。
*9 『俊寛』
平家討伐のクーデター未遂で鬼界ケ島に流刑となった俊寛は、大赦でも放免されず、ひとり島に残される。
*10 『橋姫』
橋にまつわる日本の伝承で登場する女性、鬼女、女神。『平家物語』の剣巻では嫉妬に狂う鬼として描かれ、後の橋姫の物語の原型となっている。能『鉄輪(かなわ)』では、橋姫は後妻に夫を奪われた嫉妬に狂う鬼女として描かれている。
*11 『老花夜想(ノクターン)』
1974年作。ホテル月光には娼婦を求めて男たちが夜な夜なやってくる。「月蝕の夜に娼婦は最後の務めを終えてひっそりと足を洗う」と言い伝えられていたが、もう1カ月も客がとれない年老いた娼婦「はな」は一向にやめる気配がない。男たちとの思い出に耽りながら、はなはある男がやってくるのをずっと待っていた‥‥。
*12 公益財団法人クマ財団
スマートフォン向け人気ゲームを開発・配信している株式会社コロプラの創業者で代表取締役会長兼チーフクリエイターの馬場功淳(ばばなるあつ)が設立。25歳以下の学生クリエイターを対象としたクリエイター奨学金(給付型、用途自由、年間120万円、50名)、奨学生・卒業生を対象とした活動支援事業(年間30万円〜500万円)、クリエイターが繋がる場の提供などによりクリエイターの成長と活動を支援。
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