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『彼女を笑う人がいても』
(2021年12月4日~18日/世田谷パブリックシアター)
撮影:細野晋司
当事者の声を受け止める
瀬戸山美咲の聞く力
撮影:服部たかやす
劇作家・演出家。1977年、東京生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。2001年、ミナモザを旗揚げ。現実の事象を通して、社会と人間の関係を描く。代表作に『エモーショナルレイバー』、『みえない雲』(グードルン・パウゼヴァング原作)、『指』、『ファミリアー』など。2016年、『彼らの敵』が第23回読売演劇大賞優秀作品賞受賞。2019年、オフィスコットーネ『夜、ナク、鳥』と流山児★事務所『わたし、と戦争』で第26回読売演劇大賞優秀演出家賞受賞。そのほかの主な作品にオフィスコットーネ『埒もなく汚れなく』(作・演出)、神奈川芸術劇場『オレステスとピュラデス』(作)、さいたまネクストシアター『ジハード―Djihad―』、新国立劇場『あの出来事』(ともに演出)など。「アズミ・ハルコは行方不明」、「リバーズ・エッジ」など映画脚本も手がける。『THE NETHER』にて第27回読売演劇大賞優秀演出家賞受賞。2020年、第70回芸術選奨文部科学大臣賞新人賞受賞。現代能楽集X『幸福論』〜能「道成寺」「隅田川より」で第28回読売演劇大賞優秀演出家賞受賞。
ミナモザ公式サイト
http://minamoza.com/
『彼女を笑う人がいても』
(2021年12月4日~18日/世田谷パブリックシアター)
撮影:細野晋司
ミナモザ『彼らの敵』
(2013年7月24日〜8月4日/こまばアゴラ劇場)
撮影:服部たかやす
*1 つかこうへい(1948-2010)
劇作家、演出家、小説家。慶應義塾大学在籍中から演劇活動をはじめ、73年に文学座に書き下ろした『熱海殺人事件』(部長刑事の木村伝兵衛が、恋人のハナ子を殺害して捕まった大山金太郎を“一流の犯人”に育てるために、殺害に至る経緯をダメ刑事の熊田留吉らとともに繰り返しロールプレイさせる中でみんなが人として成長していくという倒錯的な悲喜劇)により、当時最年少の25歳で岸田戯曲賞を受賞。1974年につかこうへい事務所を設立し、70年代から80年代にかけて一大ブームを巻き起こした。ひとつの戯曲をベースに、稽古場で俳優に当ててセリフを即興的につくりかえ、口頭で伝える「口立て」により上演台本を自在に操り、バージョンを変えて何度も再演。多くの劇作家、演出家、俳優に多大な影響を与えた。
*2 『寄生獣』
宇宙から飛来した寄生生物(パラサイト)によって脳を乗っ取られた人間は、人間を捕食するようになる。高校生の泉新一はパラサイトに襲撃されるが、脳ではなく右手に寄生される。新一と自らを「ミギー」と名乗るようになった寄生生物の奇妙な共生生活と、人間とパラサイトとの攻防を描いたヒット漫画。
*3 北区つかこうへい劇団
つかこうへいが東京都北区からの要請により、1994年に設立した北区を拠点とする劇団。俳優の養成に力を入れていたが、つかの逝去に伴い、2011年に解散。
*4 東電OL殺人事件
1997年に実際に起きた未解決事件。東京電力東京本店に勤務する女性の他殺遺体が渋谷区円山町のアパートの空き部屋で発見されたもの。昼間は大企業の社員、夜は売春行為をしていた被害女性や、不法残留していた外国籍の男性が犯人とされた冤罪事件として注目され、多くのノンフィクションの題材とされた。
*5 樺美智子
学生運動家として安保闘争に参加した東京大学の女子学生。1960年6月15日のデモで国会に突入した際に警官隊と衝突し、22歳で死亡。
*6 EPAD
新型コロナウイルスの感染拡大による収益機会の減少などにより影響を受けた文化芸術団体等の支援を目的とした「文化芸術収益強化事業」(文化庁委託事業)の一環として立ち上がった舞台芸術アーカイブ+デジタル化支援事業。2020年度に舞台芸術業界団体により発足した「緊急事態舞台芸術ネットワーク」が主体となり、映像・戯曲・舞台美術資料の紹介及びデジタルアーカイブとしての活用を行っている。
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