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2017.8.1

フランスで第71回「アヴィニヨン演劇祭」閉幕(2017年7月6日〜26日)

 芸術監督オリヴィエ・ピィは今年、いつにもまして「国際色豊か」な全40作品を世界中から招聘。そのなかにはドイツ人演出家フランク・カストルフ、英国人演出家ケイティ・ミッチェル、ベルギー出身演出家ギー・カシアス、ポルトガル人演出家ティアゴ・ロドリゲズ、オーストラリア人演出家サイモン・ストーン、ブルキナファソ出身振付家セルジュ・エメ=クリバリ、そして日本の演出家・宮城聰などの名前が並んでいる。またフェスティバルの創設者ジャン・ヴィラールが掲げた芸術精神に立ち戻り、老若男女誰もが楽しめる「テアトル・ポピュレール(民衆演劇)」をプログラム。イプセン、モリエール、シェイクスピア、ソフォクレスなど、「物語演劇」として楽しめる古典作が多く見られたのが特徴となっている。宮城は、日本人演出家として史上初めて法王庁広場のオープニング演目として『アンティゴネ』を上演。舞台面全体に薄く水を張り、現実/幻想、生/死、善/悪の境界がつねに繊細に揺らぐ、キリスト教的な二元的価値観とは異なる世界を描き出し、好評を博した。また、ピイ自身の演出による『ハムレット』では、「愛情や安らぎの場である以上に“暴力の巣窟である”」という「家族」像を浮かび上がらせた。

[フェスティバル概要]
1947年、ジャン・ヴィラールによって創設された新作発表の規模、数、質において欧州で一、二を競う舞台芸術フェスティバル。2004年からアソシエート・アーティスト制度を採用し、毎年異なるアーティストがプログラムの選定を務めている。近年の総演目数は40前後。メイン会場であるパレ・デ・パップ(法王庁宮殿)の中庭、キャリエール・ ドゥ・ブルボン(石切り場)など、アヴィニョン市内約20カ所のさまざまな施設で上演が行なわれ、ほぼ市の人口に匹敵する10万人が町を訪れる。プレス各紙は毎年アヴィニョン演劇祭特集ページを組み、連日舞台評を掲載。2005年のヤン・ファーブル作品のように時には演劇界あげての大論争に発展することもある。演劇祭開催と時を同じくして「アヴィニョン演劇祭OFF」(http://www.avignonleoff.com/)と呼ばれる数多くの公演も行われる。オフは自由参加制。また、舞台芸術以外にも、展示会、コンサート、詩の朗読、などさまざまなイベントが開催され、期間中は町全体が祭りの雰囲気に包まれる。2013年度に演出家オリヴィエ・ピィが芸術監督に就任。2014年には宮城聰演出『マハーバーラタ〜ナラ王の冒険〜』、また日本の俳優たちをフランスの巨匠クロード・レジが演出したメーテルリンクの『室内』が上演された。

アヴィニョン演劇祭(Festival d'Avignon)
http://www.festival-avignon.com/en/