Artist Interview アーティストインタビュー

The strategy of Yuichi Kinoshita, taking Kabuki into the future
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歌舞伎の未来に挑む 木ノ下裕一の戦略
木ノ下裕一(木ノ下歌舞伎)
2006年に京都を拠点に活動をスタートした木ノ下歌舞伎。その主宰を務めているのが、京都造形芸術大学を卒業し、現在「武智歌舞伎論〜近代における歌舞伎新演出について」をテーマに博士論文を執筆中の新鋭、木ノ下裕一(1985年生まれ)だ。小学3年生で落語と出会ったのをきっかけに、日本の古典芸能に傾倒。以来、文楽、歌舞伎、能・狂言に触れ、大学時代に武智鉄二と前衛演劇を学び、古典演目の現代化を目指した木ノ下歌舞伎を旗揚げ。自ら古典演目の補綴(ほてつ)を行い、『三番叟』『娘道成寺』『勧進帳』『義経千本桜』『黒塚』『東海道四谷怪談』などを現代化。特に2014年のフェスティバル/トーキョー(F/T)では木ノ下歌舞伎のパートナーである演出家の杉原邦生と組んで『東海道四谷怪談』を通し上演し、今日ではカットされることの多いエピソードを復活した一大群像劇として蘇らせた。自らを“権力をもったドラマトゥルク”と呼ぶ木ノ下のメソッドと思いに迫る。
聞き手:奈良部和美[ジャーナリスト]