Artist Interview アーティストインタビュー
Dozan Fujiwara, exploring the potential of the Shakuhachi, in the pioneering spirit of a great master
music
師匠のパイオニア精神を受け継ぎ
尺八の可能性を追求する藤原道山
尺八は竹に5つの穴(手孔)を空けただけで、リードのない歌口に息を吹きつけて音を出す日本の伝統的な木管楽器。1960年代の第1次現代邦楽ブームで尺八の楽器としての新たな可能性を引き出したパイオニアが、今年2月10日に76歳で亡くなった尺八奏者の山本邦山(人間国宝)である。ゲイリー・ピーコックや山下洋輔など国内外のジャズプレーヤーと共演し、菊地トリオと共演した記念碑的作品『銀界』で西洋音楽と邦楽を融合した新しい音楽を創出した。その邦山に中学生の頃から師事し、卓抜した技量により90年代以降の邦楽ニューウェーブの一翼を担い、師匠の精神を受け継いだ幅広い活躍をしているのが藤原道山(1972年生まれ)である。東京藝術大学在学中からさまざまなコラボレーションを行い、2001年にデビューしてからも、古典ライブだけでなく、チェロ(古川展生)・ピアノ(妹尾武)とのユニット「KOBUDO─古武道─」、マリンバ(SINSKE)とのユニット、他分野の音楽家や国内外のオーケストラとの共演、現代音楽の作曲家との実験的なパフォーマンスなどを意欲的に行い、尺八の魅力を広く発信してきた。1月23日、師匠の訃報が届く1カ月前、忙しいスケジュールの合間を縫って、自身の活動や尺八の魅力についてインタビューを行った。
聞き手:花光潤子