Artist Interview アーティストインタビュー

Opening new realms in Sokyoku:
The world of Kazue Sawai
music
箏曲の可能性に挑み続ける 沢井一恵の世界
沢井一恵(箏曲家)
沢井一恵は、古典から現代音楽まで、箏曲の可能性を追求しつづけている日本を代表する箏曲家だ。8歳で宮城道雄に入門し、63年東京芸術大学音楽学部卒業。箏曲家で生涯に90を超える新曲を発表した作曲家の夫、沢井忠夫とともに79年に若手演奏家の育成を目的とした沢井箏曲院を創立。忠夫との結婚により一時演奏活動を休止していたが、79年にソリストとして行ったリサイタルで芸術祭優秀賞を受賞したのをきっかけに箏曲家としての活動を再開。現代邦楽界で活躍する一方、一柳慧、高橋悠治、坂本龍一、ジョン・ケージ、ジョン・ゾーン、ソフィア・グバイドゥーリナといった作曲家や音楽家と多彩な活動を展開し、日本の伝統楽器としての箏と西洋音楽、現代音楽、JAZZ、即興音楽などとの接点を探求。箏曲界の前衛として走り続け、2011年から箏曲家の野坂操壽とのコンサートツアー「ふたりのマエストロ 変絃自在」をスタートするなど、新たな挑戦をはじめた沢井にその歩みを聞いた。
聞き手:奈良部和美[ジャーナリスト]