『私はそそられる "I am aroused"』
「そそられる」という行為に秘める身体の感触を確かめ合うように女性ダンサーたちが踊り狂う。鏡をみ、化粧をし、男を下僕にする女たち。肌色の皮膜のような衣裳をまとい、身体を滑らす手の先に見える、本当にそそられているものとは何なのか。2008年初演。2009年8月に東京・吉祥寺シアターにて再演予定。
Photo: Yoshikazu Inoue
『GEEEEEK』
娼婦、ゲイ、小人、家畜、前と後ろが逆転し顔のないギーコなど、精神や身体にどこか奇形をもったGEEKな人間たちが、荒廃した闇の世界で危うく暴れ回る。夜行性の野生動物たちが闇の中でときに凶暴に、ときに性の奴隷となるがごとく、虚構ではない真の愛を求めてタブーの世界を繰り広げる。2006年初演。
東野祥子ソロダンス『VACUUM ZONE』
ペットボトルや工場から出る鉄くずや部品などの廃材を集めてオブジェを構築する美術家OLEO、元BABY-Qで音楽家の豊田奈千甫、VJのROKAPENISらと共同創作した東野祥子のソロダンス作品。舞台に掘られた暗黒の空洞、それがヴァキュームゾーンなのか。穴の上に吊るされた幾何学的廃棄物オブジェは轟音のたびに揺れ動き、ゴミたちとともにすべてが吸い込まれていく。
Photo: Banri
『MATAR O NO MATAR』
BABY-Q+Musiciansとして、上演ごとに異なる現代を象徴する気鋭の音楽家やDJらと即興的にコラボレーションしながら進化する作品。BABY-QのダンスとROKAPENISの映像インスタレーションが異空間を描き出す。
2008年8年の初演では、初日に中原昌也、伊東篤宏、鈴木ヒラク、L?K?O、KILLER-BONG、Kleptomaniac、虹釜太郎(DJ)らと、2日目にWorld'send girlfriend、kenichi matsumoto(サックス)、mujika easel(ヴォーカル)、置石(DJ)らとセッション。2008年9月再演では、大阪の造船所跡地にDESTROYED ROBOTの火炎放射戦車が登場するなど破壊行為へと至る。2009年には、新たな音楽家を迎えてさらなる進化を遂げる。
『ALARM!』
女の身体に流れる血と感情をえぐり出し、女性性に「警告」を発するかのような衝撃的な作品。『不思議の国のアリス』を思わせる少女と、圧搾空気で動く巨大ロボットや機械たちが闇のなかにグロテスクに共存する。ストロボ光や轟音ノイズを多用し、乱舞する東野の身体は圧巻。トヨタコレオグラフィーアワード2004「次代を担う振付家賞」受賞作。