OKI

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(c) Guoqing Jiang

OKI OKI

1957年生まれ。本名は加納沖。これまでにソロ、バンド、ダブミックス版などを含む合計20枚以上のオリジナルアルバムを発表。

アルバム『トンコリ』(2005年)では、昭和20年代から30年代にかけて研究者などが収集した(*2)西平ウメ、白川クルパルマㇵ、藤山ハル(エソㇹランケマㇵ)などの演奏音源を元に、トンコリ奏者として古典に挑戦している。

ファーストアルバム『Kamuy Kor Nupurpe』(1996年)から最新作まで、アイヌ語の歌詞や語りが入っており、現代に伝わる伝承歌のほか、葛野辰次郎エカシ(*3)と一緒に作ったアイヌ語のオリジナル曲等を発表している。また『Sakhalin Rock』(2010年)収録の「Osoro Omap」と「Tawki」では、拠点としている旭川のアイヌ語教室の子どもたちが作ったユニークなアイヌ語歌詞が付いている。

古典や文化的アイデンティティを大切にすると同時に、『OKI DUB AINU BAND』(2006年)や、『Sakhalin Rock』(2010 年)では、ブルース、レゲエ、ダブなどがミックスされた最先端の音楽表現が実現している。またサードアルバムの『No One’s Land』(2002年)では、ロシアの先住民族チュクチのシンガーや、東ティモールの詩人などをゲストアーティストに迎え、1997年に自身も出席した国連先住民作業部会の音声がミックスに使用されている。

OKIが主導するプロジェクトとして結成されたOKI DUB AINU BAND(トンコリ:居壁太、ドラム:沼澤尚、ベース:中條卓、ミックス:内田直之、キーボード:HAKASE-SUN)は、世界最大規模のワールドミュージック・フェスとして知られる WOMAD(2004年オーストラリア、2006年イギリス、2007年シンガポール、2017年オーストラリア)や、レインフォレスト・ワールド・ミュージックフェスティバル(マレーシア2019年)に招聘され、日本国内でも数々の音楽フェスティバルに参加している。また、音楽プロデューサーとして音楽レーベル「チカルスタジオ(Chikar Studio)」を主宰し、アイヌの伝統歌「ウポポ 」を再現・継承するボーカルユニット「マレウレウ」をプロデュース。ムックル(口琴)とウポポ の名手として知られる安東ウメ子(1932-2004)も同レーベルのアーティストとしてOKIのセカンドアルバム『HANKAPUY』(1999年)から参加している。

チカルスタジオ
https://www.tonkori.com/