別役実

別役実

別役実 Minoru Betsuyaku

1937年、旧満州(現、中国東北部)生まれ。早稲田大学政治経済学部中退。日本の不条理劇を確立した劇作家として、多くの演劇人に影響を与えた。小説家、童話作家、エッセイスト。ベケットらの不条理劇に影響を受け、鈴木忠志らと劇団早稲田小劇場を創設。戯曲『象』(1962年)で注目され、『マッチ売りの少女』(1966年)と『赤い鳥の居る風景』(1967年)で第13回岸田國士戯曲賞を受賞。1971年、『街と飛行船』『不思議の国のアリス』で紀伊国屋演劇賞受賞。同年『そよそよ族の叛乱』で芸術選奨新人賞、 1987年に戯曲集『諸国を遍歴する二人の騎士の物語』で読売文学賞、1988年、『ジョバンニの父への旅』で芸術選奨文部大臣賞を受賞。2007年、劇作130本を達成する。戯曲や童話の他に、生物学の常識を覆す奇書のふりをしたジョークエッセイ『虫づくし』をはじめ、日本古来、および現代の妖怪の生態を解説した『もののけづくし』や、『けものづくし』『鳥づくし』『道具づくし』『魚づくし』など「〜づくし」シリーズは、ナンセンス作家としての著者を一躍有名にした。また衝撃的な事件の闇に包まれたメカニズムを鋭敏な目で分析した犯罪エッセイ「犯罪症候群」などの独創的な論考も発表しており、その関心は森羅万象に及ぶ。