多田淳之介
多田淳之介 Junnosuke Tada
演出家、劇作家
激しい音楽とともに集団自殺する前のどんちゃん騒ぎを反復する『再生』(2006年)で注目された演出家・多田淳之介(1976年生まれ)。東京デスロックを主宰し、「目の前に俳優がいることを演劇の最大の魅力とする」「既存の演劇の手法を見直して新たな可能性を広げる」「現代口語演劇としてのコミュニケーションを追求する」ことを掲げ、多彩な作品を発表。椅子取りゲームで表現する『WALTZ MACBETH』(2008年)、喪服を着た何組もの男女が走り回り、絶叫する『ロミオとジュリエット』(2009年)、舞台と客席の壁を取り払い、観客とのコミュニケーションを図る8時間のパフォーマンス『MORATORIUM』(2012年)など。いずれもDJのように多田がオペレーションする音楽やライブカメラ映像などを駆使し、俳優の身体が躍動するコミュニケーション演劇を生みだしてきた。多くの若手演出家を輩出している青年団演出部に在籍した経験をもち、2010年には富士見市民文化会館キラリ☆ふじみ芸術監督に就任。これをきっかけに各地で市民が台本をつくる市民劇を構成・演出する他、近年では韓国演劇界との交流に注力。2013年には韓国の劇作家ソン・ギウン(第12言語スタジオ主宰)とのコラボレーションによる『カルメギ』で韓国・東亜演劇賞の作品賞・演出賞・視聴覚デザイン賞を受賞。
