Artist Interview アーティストインタビュー

Dancing and filming pre-verbal emotive impulses
ダンス/映画
言葉になる前の情動を
踊り、映像にする
吉開菜央(振付家・ダンサー、映画作家)
振付家・ダンサーで、映画作家である吉開菜央(1987年山口県生まれ)。日本女子体育大学舞踊学専攻でダンスを学んだ後、東京藝術大学大学院映像研究科に進学。2010年代に作家としての活動をスタート。2019年には第72回カンヌ国際映画祭監督週間短編部門に『Grand Banquet』(2018年)が正式招待されるなど、身体表現と映像制作の両面を必須の要素とした作品世界は高く評価されている。彼女が生まれ育ったのは、1990年をターニングポイントに日本におけるバブル経済が崩壊した“失われた20年”と呼ばれる時代だ。幼少期からデジタル・テクノロジーに親しむ一方で、小学生の頃には地下鉄サリン事件や阪神淡路大震災があり、ゲーム、宮崎駿のアニメ、女性アイドルグループのモーニング娘。などがアイコンだった時代──。地方で暮らしていた10代の頃からきわめて意識的に表現者を目指してきたという吉開は、自身を取り巻く社会をどのように捉え、独自の表現を獲得してきたのだろうか。
聞き手:住吉智恵