Artist Interview アーティストインタビュー

Theater as the Play of Life
The World of Soh Kitamura
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演劇で人生を遊ぶ北村想ワールド
北村 想
現役の演劇記者がその年に上演された最も優れた新作戯曲を選考する「鶴屋南北戯曲賞」。その第17回(2013年)に選ばれたのが、昨年還暦を迎えた北村想の日本文学シアター第1弾、太宰治の未完の作品をモチーフにした『グッドバイ』だ。北村は、自らの作演出により1970年から「T.P.O師★団」を振り出しに、「彗星\'86」、「プロジェクト・ナビ」と名前を変えながら劇団活動を展開し、1980年代の小劇場演劇ブームを牽引した旗手のひとり(2003年に劇団活動を休止)。79年に発表して以来、15年にわたって上演し続けた代表作『寿歌(ほぎうた)』は、核戦争後の何もなくなった街をゲサク、キョウコ、ヤスオという三人連れが芸をしながら放浪する明るく哀しい虚無的な世界を描いたもので、80年代の感性を象徴するエポックな作品となった。また、名古屋、大阪を拠点に活動し、AI・HALL(伊丹市立演劇ホール)において20年近く戯曲講座「伊丹想流私塾」を主宰するなど、関西の若手劇作家に多大な影響を与えてきた。物書きとして、戯曲に限らず、小説、ラジオドラマ、エッセイなど幅広く活躍する北村に、新シリーズについて、物書きとしての心得についてインタビューした。
聞き手:岡野宏文・小堀純