Artist Interview アーティストインタビュー
In search of the ultimate voice,
The Bunraku Gidayu
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極限の声を追求する
文楽の義太夫
豊竹呂勢大夫(文楽義太夫)
文楽の次代を担う太夫として注目されているのが、2013年に日本伝統文化振興財団賞を受賞した豊竹呂勢大夫(1965年生まれ)だ。17世紀に大坂で誕生した文楽は、太夫、三味線、人形遣いの三業によって繰り広げられる人形芝居である。特に太夫は、老若男女の登場人物の台詞はもちろん、情景や背景までひとりで語り、浄瑠璃の心を言葉で伝える重責を担っており、大成するには長い年月が必要と言われている。古典から新作まで艶のある美声で語り、人気劇作家の三谷幸喜が初めて文楽の台本を書いて話題となった『其礼成心中(それなりしんじゅう)』でも太夫を務めた呂勢大夫。その文楽に掛ける思いを聞いた。
聞き手:奈良部和美[ジャーナリスト]