Artist Interview アーティストインタビュー

Hymns to the common people’s lives and labors
Bringing the appeal of folk song to contemporary audiences
music
生活と労働の応援歌 民謡の魅力を現代に
木津茂理
どこの国のどんな地域にも、古くから唄い継がれてきた「民謡」があるだろう。誰が歌詞を作り、誰がメロディーをつくったかわからないが、歌い継がれてきた労働歌や祝い歌だ。急峻な山が列島を貫き、海に囲まれ、南北に長い日本列島にも多彩な民謡がある。田植え歌、機織り歌、大漁歌、木挽き歌……。しかし、多くの国同様、日本の生活様式は20世紀後半に大きく変わり、人々の音楽の好みも欧米発のポップスやロックに傾き、民謡は次第に生活の中で歌われるものではなくなっていく。本来の民謡がもつパワーを現代に伝えたいと、洋楽とのコラボレーション経験も多い民謡歌手で太鼓奏者の木津茂理と大御所の津軽三味線奏者の澤田勝秋が異色のユニット「つるとかめ」を結成。ジャパニーズ・ヴォイスの圧倒的な歌唱力と演奏力で、日本民謡のパワーを海外にも伝えている。世代を超え、民族の違いを超えて、心に響く民謡の魅力と、つるとかめの活動について、木津茂理に聞いた。
(聞き手・奈良部和美[ジャーナリスト])