Artist Interview アーティストインタビュー

The unique appeal of old playhouses
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江戸時代の息吹をつなぐ 芝居小屋の魅力とは
賀古唯義(文化財建造物保存技術協会)
近代的な劇場が登場する以前、日本には「芝居小屋」と呼ばれる伝統的な木造劇場があった。現存する最古の芝居小屋が、江戸時代に歌舞伎を上演していた機構を残す香川県琴平町の「旧金毘羅大芝居」(1835年建設)である。明治、大正時代にも多くの芝居小屋が建設された。芝居だけでなく、さまざまな興行や演説会などが行われ多くの人でにぎわったが、時代の変化とともに次々に解体されていった。倉庫などに転用されて残ったもの、老朽化した建物を修復し芝居小屋として甦ったものなど、現存している芝居小屋は日本全国で30棟余り。うち5棟が次世代に残す日本の宝、重要文化財に指定されている。国宝や重要文化財の建造物を修復する専門家集団「公益財団法人文化財建造物保存技術協会(文建協)」の賀古唯義さんは、そのうちの2棟、日本の芝居小屋を代表する「八千代座」と「旧金毘羅大芝居」の修復で陣頭指揮を執った。「世界に誇る技術」といわれる木造建造物の修復技術と、芝居小屋の魅力について聞いた。
聞き手:奈良部和美