Artist Interview アーティストインタビュー

The unending challenge of butoh artist Ushio Amagatsu, a leader in the international dance scene for over 30 years
dance
30年以上にわたり世界のダンスシーンを牽引
舞踏家・天児牛大のあくなき挑戦
天児牛大が、麿赤兒率いる舞踏集団・大駱駝艦から独立して<山海塾>を設立したのが1975年。たった4人の男性メンバーによってひそやかに立ち上げられたこのカンパニーは、77年に『アマガツ頌』で旗揚げを行い、78年に出世作『金柑少年』を発表。80年には早くも海を越えてフランスへと飛び立つ。そして渡欧1年目にして、春のナンシー・フェスティバル、夏のアヴィニヨン・フェスティバル、秋のボルドー・シグマ・フェスティバルを制覇。またたくまに欧州全土にSankai JukuとButohの名を広めていく。また82年からパリ市立劇場との共同製作公演を開始。以後、2年に1度のペースでこの劇場を拠点に新作を発表し、2006年度の朝日舞台芸術賞グランプリを受賞した『時のなかの時―とき』や最新作『降りくるもののなかで―とばり』など、今も四半世紀以上にわたり共同製作を続けている。現在までヨーロッパ、アジア、アメリカ、オセアニアと、世界43カ国延べ700都市以上での公演を敢行。「ル・モンド」のコレット・ゴダール氏がナンシー・フェスティバルで山海塾の舞台を初めて目にし、「息つくことも忘れてしまう、2時間の途方もない旅」と称してから30年あまり。加速も減速もせず、淡々と自らの舞踏哲学に従い創造の旅を続ける天児牛大に話を聞いた。
聞き手:岩城京子