Artist Interview アーティストインタビュー

Kanjuro Kiritake III, a leader of the rising generation of puppeteers in Japan's world renowned puppet theater, Bunraku
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世界に誇る日本の人形劇「文楽」 人形遣いのホープ三世桐竹勘十郎に聞く
桐竹勘十郎
三人遣いの「人形」、浄瑠璃を語る「太夫」と「三味線」の三者が一体となって物語を進める文楽は、ユネスコより世界無形遺産として宣言された日本が世界に誇る人形劇だ。独特の上演形式は、フランスの太陽劇団やウォルト・ディズニーのミュージカル『ライオンキング』など、世界の演劇人に様々な影響を与えてきた。世界に類を見ない三人遣いは、「かしら」と呼ばれる首を遣う主遣い(おもづかい)、左手を遣う左遣い、もっぱら足を遣う足遣いが呼吸を合わせて1体の人形を操るもので、その豊かな表現力は「生きるかのごとく」といわれる。三世桐竹勘十郎は人形遣いになって42年、今もっとも華のある人形遣いだ。「梨園」と呼ばれる代々役者の家系が芸を継承する歌舞伎と異なり、文楽は本人の才能が第一。人形遣いの家系はないが、人間国宝の二世桐竹勘十郎を父に生まれた勘十郎は、中学時代に文楽に魅せられ古典芸能の世界に飛び込んだ。吉田簑太郎として足遣い、左遣いと長い修業を積み、2003年4月父の名を襲名。文楽の大黒柱を担う人形遣いである。
聞き手:奈良部和美