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2018.3.14

ベルリンで「テアター・トレッフェン」開幕(2018年5月4日〜20日)

 毎年5月に開催されるドイツ語圏の演劇のみに的を絞ったフェスティバル。毎年約7人のドイツ語圏の演劇批評家が、フェスティバル開催の66週から14週前までにオーストリア、スイス、ドイツで独語上演された演劇作品に足を運び、その中から「1年で最も素晴らしいプロダクション10作」を選出する。選出理由は、後日「テアター・トレッフェン・マガジン」で明記される。また作品が選ばれた演出家には、選出理由を綴る原稿が各批評家から送られる。今年はドイツ語圏の54都市で上演された409作品の中から33作品がノミネートされ、その後、厳正な審査を経て10作品が選ばれた。
 選出作品のなかではまず、原作エルフリーデ・イェリネク/演出ファルク・リヒターによる人類史2000年およびドナルド・トランプについての考察が含まれる『ザ・ロイヤル・ロード』、トーマス・オスターマイアー演出による『リターニング・トゥ・レムズ』、さらにフランク・カストルフ演出/マルティン・ヴドケ主演による7時間の大作『ファウスト』などの大型作品が注目されている。
 他にはウルリッヒ・ラッシェ演出によるバーゼル劇場の『ヴォイツェク』、大学院在籍時からすでに注目を集めていたポルトガル出身の若手演出家アントゥ・ロメロ・ヌネスによる『オデュッセウス』、また選出作家のなかで唯一の女性であり有色人種でもあるアンタ・ヘレーナ・レッケ演出による『ミドル・キングダム』(ミュンヘン・カンマーシュピーレ製作)などが含まれる。

[フェスティバル概要]
1963年から毎年5月ベルリンで行われる演劇ミーティング。フリーの演劇評論家からなる審査員団により、ドイツ、オーストリア、スイス各地のドイツ語圏内の舞台で毎年の演劇シーズン内に公演される、約2,000の作品から最高10本までの「優秀」作品が選出・招聘され、若手の登竜門となっている。期間中作品上演と並行して、テアター・トレッフェンの主催者であるベルリン・フェストシュピーレ、ミュンヘンのゲーテ・インスティトゥート本部、スイスの文化機関プロ・ヘルヴェツィアが協力して、2週間にわたるワークショップ「国際フォーラム」を開催。ドイツ語圏のみならず、世界各国から35歳以下の演劇人が参加。台本の紹介やディスカッションなど若手演劇人のプラットフォームとして、台本の紹介や、2週間にわたるワークショも機能している。

テアター・トレッフェン(Theatertreffen)
http://www.berlinerfestspiele.de/de/aktuell/festivals/theatertreffen/ueber_festival_tt/aktuell_tt/start.php