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2016.7.7

第70回アヴィニョン演劇祭が開幕(2016年7月4日〜25日)

 欧州を代表するアヴィニヨン演劇祭が開幕した。法王庁広場でのオープニングを飾ったのは、ルキノ・ヴィスコンティの映画を基にしたオランダの演出家イヴォ・ヴァン・ホーヴェが演出する『地獄に堕ちた勇者ども』。続いて、昨年のフェスティバル/トーキョーで『地上に広がる大空(ウェインディ・シンドローム)』を披露したスペインの演出家アンジェリカ・リデルが、食人鬼として知られる佐川一政に影響を受けて創作したという『¿QUÉ HARÉ YO CON ESTA ESPADA ?(この剣で、私、なにをすべきか?)』を世界初演する。
 今年のプログラムは政治色の強い作品が選ばれているのが特徴で、中でも混乱を極める中東の作家の作品が数多くラインナップされている。アヴィニヨン演劇祭のメイン会場ともいえる法王庁広場には、イスラエル生まれの巨匠演出家アモス・ギタイが初登場。『Yitzhak Rabin: Chronique d’un assassinat(イツハク・ラビン:殺人クロニクル)』と題し、1995年に和平反対派の青年に射殺された第11代イスラエル首相のイツハク・ラビンについての政治演劇を一晩限りで上演する。
 シリア生まれ、ロンドン育ち、現在はベイルートを拠点に活動する若手劇作家モハメッド・アル=アターもアヴィニヨン初登場。同じくシリア生まれのオマール・アブサダによる演出で『Alors que j’attendais(待っているあいだ)』を上演する。レバノン出身の振付家アリ・シャルーアは、詩人ファトメ・ザーラ、エジプト人歌手ウム・クルトゥム、そして予言者ムハンマドにまつわる55分のダンス作品『Fatmeh』を発表。さらにフェスティバル/トーキョーで来日公演を行ったこともある国際フェスティバルの常連、イラン人劇作家アミール・レザ・コヘスタニは、「大晦日の晩に男が女子寮に忍びこんだ」日常的な事件をイランの社会問題にまで拡張する『Hearing』を上演する。

[フェスティバル概要]
1947年、ジャン・ヴィラールによって創設された新作発表の規模、数、質において欧州で1、2を競う舞台芸術フェスティバル。2004年からアソシエート・アーティスト制度を採用し、毎年異なるアーティストがプログラムの選定を務めている。近年の総演目数は40前後。メイン会場であるパレ・デ・パップ(法王庁宮殿)の中庭、キャリエール・ ドゥ・ブルボン(石切り場)など、アヴィニョン市内約20カ所のさまざまな施設で上演が行なわれ、ほぼ市の人口に匹敵する10万人が町を訪れる。プレス各紙は毎年アヴィニョン演劇祭特集ページを組み、連日舞台評を掲載。2005年のヤン・ファーブル作品のように時には演劇界あげての大論争に発展することもある。
演劇祭開催と時を同じくして「アヴィニョン演劇祭OFF」(http://www.avignon-off.org)と呼ばれる数多くの公演も行われる。オフは自由参加制。また、舞台芸術以外にも、展示会、コンサート、詩の朗読、などさまざまなイベントが開催され、期間中は町全体が祭りの雰囲気に包まれる。
2013年から演出家オリヴィエ・ピィが芸術監督に就任。2014年には宮城聰演出『マハーバーラタ〜ナラ王の冒険〜』、また日本の俳優たちをフランスの巨匠クロード・レジが演出したメーテルリンクの『室内』が上演された。

アヴィニョン演劇祭
http://www.festival-avignon.com/en/