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2015.9.1

シュタイヤーマルクの秋のフェスティバルが開幕(2015年9月25日〜10月18日)

 オーストリアのシュタイヤーマルク州で1968年より毎年開催されている複合芸術祭。政治的に物議を醸すプログラムで知られ、今年もリミニ・プロトコルがヒットラーの『我が闘争』を原案に創作した『Adolf Hitler:Mein Kampf, Band 1 & 2』などの共同制作作品が上演される。ヘッドフォンから流れる指示を聞きながらテーブルについた二人が出会う観客参加型のパフォーマンス作品のロトザザの『エチケット』、ニューヨークのオフ・オフ・ブロードウェイのパフォーマンス集団Nature Theater of Oklahomaによる舞台上で繰り広げられる映像作品『Life and Times – Episodes 7 - 8 - 9』、アンヌ・テレサ・ドゥ・ケースマイケル率いるローザスが、ブライアン・イーノの音楽とシェイクスピアの喜劇からインスパイアされた作品『Golden Hours(お気に召すまま)』など、ダンス、演劇、パフォーマンスの他、文学、ヴィジュアルアート、建築など多様なジャンルの展示やイベントが数多く催される「Back to the Future」をテーマに、遺産や資源、相続と負担などを巡る問題についての議論も行われる。

[概要]
“Steirischer Herbst”とは「シュタイヤーマルクの秋(のフェスティバル)」という意味。オーストリア・シュタイヤーマルク州の州都グラーツで1968年から毎年秋に開催されている演劇、音楽、建築、文学、ビジュアルアーツほかあらゆるジャンルをカバーする総合アート・フェスティバル。創設者は民俗学者で政治家のハンス・コレン。オーストリアでいちはやくナチス政権を受け入れた街の歴史を批判するような、政治的に物議を醸す過激作品を発表することでも有名。1998年には美術作家ハンス・ハーケが、50年前にグラーツ市内に築かれたナチスの『勝利の円柱』を再構築し、ナチスによる殺戮を記した作品を発表(1988年にネオナチが爆破)。近隣のブリュッセルのクンステン・フェスティバル・デザールとともに、新作のためのフェスティバルとして、共同制作や委嘱作品に力を入れており、特に欧米の作品については、世界初演、ドイツ語圏初演といった肩書きをもつものが多い。フェスティバルディレクターは2006年よりヴェロニカ・カウプ=ハスラーが務める。

シュタイヤーマルクの秋(steirischer herbst)
http://2015.steirischerherbst.at/