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2015.8.28

30周年記念を祝うローマ・ヨーロッパ・フェスティバルが開幕(2015年9月23日〜12月8日)

 小規模なフェスティバルが乱立するイタリアでは数少ない伝統ある大型複合芸術祭。毎年ローマで開催されており、30周年記念となる今年は、76日間のフェスティバル会期中、演劇、ダンス、現代サーカス、美術、テクノロジー、音楽などのジャンルから48作品が14会場で発表される。総監督は86年の初年度よりフェスティバル・マネージャー、ゼネラル・マネージャーなどを歴任したモニーク・ヴォーテ。芸術監督はファブリツィオ・グリファーシ。
 今年のテーマは「RiCreazione(ReCreation)」で、20カ国から参加するアーティストがさまざまなリクリエイトに挑む。オープニングは、演出家ロベール・ルパージュによる『887』。ルパージュが幼少期に住んでいたムレー通り887番地での記憶を頼りに、国家の歴史と個人の記憶を多声的な物語として編み上げていく。
 その他、マギー・マランがベケット作品から発想した伝説的名作『May B』のリプロダクト、アンヌ・テレサ・ドゥ・ケースマイケルの近作『Vortex Temporum』『Verkärte Nacht』、ヤン・ファーブルの24時間劇『Mount Olympus』、ロメオ・カステルッチの『ジュリアス・シーザー』『Schwanengesang D477(Canto del Cign)』など、30周年記念にふさわしい大型作品が次々に上演される。

[フェスティバル概要]
ローマで毎年9月から12月にかけて開催される現代演劇、ダンス、音楽中心のフェスティバル。主催者はイタリア政府公認の非営利団体「ローマ・ヨーロッパ財団」で、その前身は1986年に設立された「メディチ荘の友協会」。第1回フェスティバルも「メディチ荘フェスティバル」として同年に開催された。メディチ荘にちなんだ発祥とあって、当初はイタリアとフランスのイニシアチブという性格が強かったが、数年のうちに現代芸術の多様性とヨーロッパ統合への流れに呼応して伊仏文化交流の枠を超え、1990年に現行の財団設立とともに催事名も「ローマ・ヨーロッパ・フェスティバル」に改称。ヨーロッパ有数の国際フェスティバルとなった。2011年のプログラムは、勅使川原三郎が招聘参加。

ローマ・ヨーロッパ・フェスティバル(Romaeuropa Festival)
http://www.romaeuropa.net