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Arts Organizations 世界の支援団体

2022.10.11

European Union National Institutes for Culture (EUNIC))
EU
欧州連合文化機関(EUNIC)

 EU加盟国の公的文化機関や関連省庁の協力を通してEUの内外で、文化的多様性と相互理解を促進し、文化を通した国際的な対話と協力を強化することを目的としたネットワーク組織。本部はブリュッセル。メンバーはEU加盟国および2020年にEUを離脱した英国の合計28カ国・38団体で、国際文化交流を専門とする公的機関や文化・国際関係の関連省庁が加盟している。2022年6月、理事長にゲーテ・インスティテュートのヨハンネス・エバート氏が就任した。

 2020年〜24年の事業方針「戦略的枠組み」においては、加盟団体間および全世界のパートナー機関や利害関係者との協力を通して文化交流を強化すること、国際関係において文化が重要な役割を果たすことを訴え、文化交流戦略におけるEUの主要なパートナーとなること、ネットワークを強化し、文化交流分野での信頼できるパートナーであり続けることが目標として掲げられている。

 EU加盟国も含め全世界にクラスターと呼ばれる拠点を形成しており、特に2012年以降はクラスターを通した国際的なネットワークの強化に力を入れている。クラスターの数は2012年の80から2022年6月の時点では136(104カ国)に増加。日本には東京および関西(大阪・京都)にクラスターがある。

 EUNICの主要プログラムの1つが2012年に開始した「クラスター・ファンド(Cluster Fund)」で、クラスターの活性化や、地元機関との関係強化に貢献している。クラスター・ファンドは加盟機関からの寄付を財源に、EUNICの加盟機関とクラスターとの多様な共同プロジェクトを支援するプログラムで、2021年までに合計146事業、総額130万ユーロを助成している。申請はクラスターが行い、上限額は2万ユーロ、事業費総額の60%まで助成を受けることができる。2021年度には23プロジェクトが採択され、芸術と環境など、国連の掲げる持続可能な開発目標(SDGs)の1つまたは複数の目標に直接働きかける事業が多く見られた。

 2019年からは、新たなプログラム「European Spaces of Culture」をスタートした。これはEU域外における欧州の文化機関と地元のパートナー団体が共同で行う文化交流の革新的なモデルとなる事業を公募して実施するもの。2007年以降、欧州の文化や価値の発信から人と人の関係に基づく文化交流へと重点を移してきたEUの対外文化戦略を体現する事業の1つとなっている。

 EUの政策執行機関である欧州委員会とEUNICとの協定に基づいて実施され、2019〜23年までは準備段階として3つのフェーズに分けてパイロットプロジェクトを実施。フェーズ1(2020〜21年)ではベナン、モンゴル、エルサルバドルなどで実施される6事業、2022年のフェーズ2ではブラジル、カメルーン、中国、モルドバなどの11事業が採択された。2021年6月には、採択された事業のプロジェクトチームや、400名を超える各国の代表や政策立案に関わる関係者、文化交流機関の関係者が集まり、EUの文化交流の未来を話し合う国際会議が開催された。