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2022.3.21

Creative Europe
EU
クリエイティブ・ヨーロッパ

 欧州連合(EU)諸国の経済にとって重要な役割を果たす文化・クリエイティブ産業の新たな振興策として2014年に導入されたプログラム。「メディア(MEDIA)」(映画産業振興策)、「メディア・ムンドゥス(MEDIA Mundus)」(映画産業における域外協力支援策)、「カルチャー(Culture)」(文化活動支援策)の3つの助成プログラムを1つに統合して開始されたもの。2021年からプログラム2期目に入り、2027年までの7年間で予算規模は24億4,000万ユーロ。最初の7年間(2014年〜2020年)の予算14億6,000万ユーロから大幅に増額されている。

 クリエイティブ・ヨーロッパの狙いは大きく2つ。欧州の文化・言語の多様性と伝統を守り、発展させ、促進すること。そして、文化・クリエイティブ産業、特に映画・映像・ゲームなどのオーディオビジュアル分野における競争力を強化し、潜在的な経済力を高めることである。文化・クリエイティブ産業はEUの域内総生産(GDP)の4.2%を占めており、域内の雇用の3.7%を創出しているEUの重要な産業の一つである。多様な文化・言語を持つ国が加盟するEUにおいて、それぞれの独自な文化から生まれた作品をお互いに発信し共有することで、EUの単一市場の優位性を活かして国際的な競争力を高めることができ、EUの更なる経済発展に大きな効果をもたらすと考えられている。

 クリエイティブ・ヨーロッパは、建築・文化遺産・デザイン・文学及び出版・音楽・舞台芸術などを対象とする「文化」、映画・オーディオビジュアル分野を対象とする「メディア」、分野を横断した事業を対象とする「クロスセクター」の3つから構成されている。それぞれ、どのような事業を重点的に支援するかが決まっており、その重点策に沿ったプロポーザル募集が行われ、審査を経て選ばれた事業が資金助成を受けることができる。応募できるのはEU加盟国の文化・クリエイティブ分野の団体だが、一定の条件の下で、欧州経済領域(European Economic Area, EEA)(*1)参加国、EUの加盟候補国、欧州近隣政策(*2)の対象国の団体も応募できる。

 また、上記のようなプロポーザル募集を通じた支援に加えて、
 欧州文化首都(European Capitals of Culture)
 欧州遺産ラベル(European Heritage Label)
 欧州遺産賞(European Heritage Awards)
 欧州遺産デー(European Heritage Days)
 EU文学賞(EU Prize for Literature)
 EU現代建築賞ーミース・ファン・デル・ローエ賞(EU Prize for Contemporary Architecture - Mies van der Rohe Award)
 ミュージック・ムーブス・ヨーロッパ(Music Moves Europe)
 EUポピュラー・現代音楽賞(Music Moves Europe Awards, the EU prize for popular and contemporary music)
 若手優秀建築家賞(Young Talent Architecture Award)
など、EU諸国の優れた文化や文化的財産をアピールし、認知度を高めるための取り組みを行っている。

*1 欧州自由貿易連合(EFTA)加盟国がEUに加盟することなく、EUの単一市場に参加することができるための枠組み。2022年現在、スイスを除くEFTA加盟国のアイスランド、リヒテンシュタイン、ノルウェーと、EU加盟国27カ国が参加している。
*2 2004年のEUの大規模な拡大に伴い、域内と域外の間に断絶が生まれないよう、近隣諸国とのより安定的な関係性を図るために設けられたEUの政策枠組み。地中海沿岸(アルジェリア、モロッコ、イスラエルなど)や東方(アゼルバイジャン、ジョージア、ウクライナなど)など、地域ごとの枠組みがある。

参考:「新文化産業振興策 クリエイティブ・ヨーロッパ」駐日欧州連合代表部 EU MAG Vol. 33(2014年10月号)
https://eumag.jp/issues/c1014/