A Blade of Grass米国
ア・ブレイド・オブ・グラス
A Blade of Glassはソーシャリー・エンゲイジド・アートの発展に取り組む非営利組織。 2011年ニューヨークに設立。世界をよりよく変えたいという展望のもとに、政治、社会、環境問題に対して、先駆的な解決策を提案、また実践しているアーティストの支援と育成に取り組んでいる。助成プログラムを核とし、ソーシャリー・エンゲイジド・アートを、美学的な観点、機能面、倫理的観点から考察、そして評価するリサーチ機関としての役割を担い、アートがギャラリーや美術館の外へと出ていくことの重要性と可能性に対する意識を高めるべく広報活動も積極的に行っている。
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助成プログラム
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現実の社会に参加し、対話と行為を重ねるソーシャリー・エンゲイジド・アートは、その活動の基礎となるコミュニティとの信頼関係を築くために、時間と細やかな配慮が要される。またプロジェクトを進める上で有効な既存の方法論はなく、計画通りに進行するとも限らない。こうした特性を考慮し、アーティストがプロジェクトに集中して取り組めるよう助成金の用途に関する規制は最小限に抑えられており、アーティストに報告書の提出を義務づけるのではなく、A Blade of Glassが現場調査を行い、報告書の作成と評価を行っている。
助成対象は、個人のアーティスト、またはコレクティブで、申請者が25歳以上、アメリカ国籍、または就労許可を保持する合法的居住者であることが条件。プロジェクトの実施地域は限定されていない。ロサンゼルスにある SPArtとの共同によるロサンゼルス郡で実施されるプロジェクトを対象とする助成、30歳未満の社会的マイノリティに属するアーティストを対象とする助成プログラムも提供している。
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リサーチ
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A Blade of Grassでは、アクション・リサーチの手法を用いてプロジェクトに関する情報収集と評価を行っている。プロジェクトの参加者、利害関係者への聞き取り調査を通して収集された主観的意見も踏まえ、当初の目標の有効性と成果を考察する。助成対象プロジェクトだけでなく、ニューヨーク市文化課主催によるPublic Artists in Residenceの一環として行われているプロジェクトについても調査を行い、現代アートの領域を超えて展開するソーシャリー・エンゲイジド・アートの評価方法を提案している。
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広報・普及活動
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A Blade of Grassフェローの活動やイベント情報を、ソーシャルメディアやウェブサイトで発信している。ウェブサイトでは、様々なソーシャリー・エンゲイジド・アートの プロジェクトを特集したドキュメンタリー映像の公開、インタビュー記事や論評、半年に一度出版しているマガジンが一部閲覧可能。