国際交流基金 The Japan Foundation Performing Arts Network Japan

Arts Organizations 世界の支援団体

2011.5.9

CID (International Dance Council) CID(国際ダンスカウンシル)

 全世界の全ダンス様式を対象とするアンブレラ・オーガニゼーションとして、1973年に設立された。パリのユネスコ本部内にオフィスを置き、ユネスコおよび諸政府にダンスのための国際NGOとして認定されているが、組織としてはユネスコから独立している。略称はフランス語名称「Conseil international de la danse」による。英語名称は「International Dance Council」。初代会長はドイツ表現主義舞踊の巨匠クルト・ヨースで、現在の会長はギリシアの社会学者/ダンス史研究者アルキス・ラフティス。芸術様式、教育手段、研究対象としてのダンスの普遍性という理念に基づき、人種、ジェンダー、宗教、政治性、社会的地位などに関する偏見を含まない限りにおいて、ダンスへのあらゆるアプローチを同じ資格で扱う。

 155カ国の600以上の団体会員、4,000人以上の個人会員を擁し、「ダンスの国連」とも呼ばれる。最も会員数が多いのがギリシア(966会員)で、米国(403)、インド(243)、フランス(211)が続く。日本の会員数は42。メール情報「CID Circular」は200カ国の100,000人以上のダンス関係者に配信。会員はさまざまな情報を受け取り、会員間のネットワーク構築の機会を得るほか、CIDのウェブサイトの一般公開されているディレクトリに名を連ねることができる。

 フェスティバル、ワークショップ、コンペティションなどの事業を自ら主催することはなく、営利事業は一切行わないが、会員の活動はジャンルや営利・非営利を問わない。アーティスト、プレゼンター、芸術団体などだけでなく、ダンスに直接関係する限りにおいて(ダンス用品のメーカーなど)、企業も会員になることができる。年会費は個人55ユーロ、団体110ユーロ、アソシエート・メンバー(CIDにより密接に関わり、活動に積極的に参加するメンバー)250ユーロ、30歳未満の学生30ユーロ。

 各地のCID支部と協力して開催する世界大会には、毎年5大陸約40カ国から約400人が参加。直近ではアルゼンチン(1月)、トルコ(4月)、ロシア(4月)、ギリシア(7月)で開催。リサーチに基づくプレゼンテーションやディスカッション、クラス、レクチャー、公演などが5日間に渡って行われる。総会は2年に1度開催。次回は2011年にパリのユネスコ本部での開催が予定されている。また、「ダンス・デー」(4月29日。1982年に制定)におけるダンス振興のための催事開催を奨励しているほか、ダンスに関わる諸問題、ダンス史、ダンスについての各国語の詩、ダンスに関係した図案の各国の切手、世界大会の内容などに関する書籍の出版や、各国の伝統舞踊の映像記録推進などの活動を行っている。