Toyota Motor Corporation日本
トヨタ自動車
日本の企業メセナの先駆的存在であるトヨタ自動車株式会社は、同社の広報部・社会文化広報室に窓口をおき、幅広い社会貢献活動を展開している。創業当初から「モノづくり、車づくりを通して豊かな社会づくり」を基本理念とし、1969年から「トヨタ交通安全キャンペーン」、76年から「ふれあいグリーンキャンペーン」、81年から「トヨタコミュニティコンサート」を行なうなど、その歴史は長い。
日本国内における企業のメセナ活動が活発になりはじめた80年代終わり、同社では、社長を委員長とする「社会貢献活動委員会」を社内に設置(89年)。95年に「社会貢献活動理念」を制定するなど体制を整えてきた。現在では、特に、先端的な芸術分野領域に積極的に支援する数少ない企業として知られている。
当初は、企業協賛として申請のあった事業に対し個別の資金援助を行なってきたが、90年代末に入ってからは各分野の専門団体とパートナーシップを組み、芸術文化の「教育・育成」「裾野の拡大」「地域文化活動の活性化」を目指した自主事業を中心に展開している。
自主事業には、世田谷パブリックシアターと連携した「トヨタ コレオグラフィー アワード」(2001年開始。若手振付家の活動支援とコンテンポラリーダンスの普及)、NPO法人「芸術家と子供たち」(ASIAS)と連携した「トヨタ子どもとアーティストの出会い」(2004年開始。アーティストを学校に派遣して行なうワークショップ型事業)、また、アートマネージメントの人材育成を目的として全国展開した「トヨタ・アートマネージメント講座」(2003年で終了し、現在はインターネットでの情報提供事業に衣替え)などがある。
広報部社会文化広報室社会文化グループの鈴木なを子さんは、「メセナはスクラップ・アンド・ビルドとよく言われますが、企業としてできることは一つのきっかけづくり。例えば、『トヨタ コレオグラフィー アワード』にしても、ダンスなどの評価を定めにくい芸術分野については、協賛として資金参画だけをしていては成果の見極めが難しい。芸術支援としては、企画ごとの単発の協賛ではなく、芸術の環境づくりや、アーティストたちの次のステップにつながるものをと考えています。自主企画の方針としては、最初から何をやろうというのではなく、メセナで役立てるものはないかと専門家や現場の意見を聞くことから着手し、他の企業が手がけていない芸術分野の底上げができるものをと考えています」と言う。現在展開中の自主企画は以下のとおり。
- 「アマチュア音楽活動支援
-
トヨタコミュニティーコンサート
地域音楽文化の担い手であるアマチュアオーケストラの支援
トヨタミュージックライブラリー
演奏頻度の高いオーケストラ用楽譜や名曲をアマチュアオーケストラに無料貸出 - 青少年育成
-
トヨタ青少年オーケストラキャンプ
青少年を対象に第一線の音楽家を招いて演奏指導を行う研修会
トヨタ・子どもとアーティストとの出会い
アーティストを学校現場に送り、子どもとワークショップ型授業を行うプログラム - アートマネジメント人材育成
-
ネットTAM
アートマネジメントに関する総合情報サイト www.nettam.jp - 地域貢献
-
トヨタロビーコンサート
東京本社のロビーを利世湯して近隣企業や福祉施設の人々を招いて行うコンサート - 若手芸術家活動支援
-
トヨタ コレオグラフィー アワード
コンテンポラリーダンスの振付家発掘への顕彰事業 - 科学技術の振興
-
トヨタコレクション
近世から近代日本の科学技術資料の調査・研究 - 非資金支援
-
トヨタ創造空間プロジェクト
若手ダンス関係者を対象に、稽古場として東京本社の体育室を開放 - トヨタ・マスタープレーヤーズ・シリーズ
-
トヨタ・マスタープレーヤーズ
ベルリンフィル、ウィーンフィル、名古屋フィルと連携したコンサートを全国で開催

Data:
トヨタ自動車株式会社 広報部
Address:
〒112-8701 東京都文京区後楽1-4-18
東京本社:03-3817-9111〜6
本社:0565-23-1520〜4
名古屋:052-952-3461〜3
http://www.toyota.co.jp/